J1神戸、恩返し誓った 震災から19年
J1に昇格する神戸が阪神・淡路大震災から19年となった17日、神戸市西区のいぶきの森球技場で全体練習を行った。練習前には震災の犠牲者に1分間の黙とうを捧げた。この日早朝、神戸市中央区の東遊園地で行われた「1・17のつどい」にも参加した安達亮監督(44)は「グラウンドで恩返しするしかない」と、2年ぶりとなるJ1での戦いへ決意を新たにした。
震災から19年。節目の日に決意を新たにした。練習前、輪になった選手、スタッフの中心に立った安達監督は「被災者の方々の深い苦しみはいまだに残っている。我々にできることは、いい試合をして夢や感動を与えること。いろんな思いを持って臨んで欲しい」と語りかけ、震災の犠牲者に1分間の黙とうを捧げた。
クラブが創設された95年、その始動日に震災が発生した。復興とともに歩んだチームは、昨季J2降格という苦境を乗り越え、1年でJ1に返り咲いた。
この日早朝、指揮官は神戸市中央区の東遊園地で開催された「1・17のつどい」に下部組織の選手らを連れて参加した。震災後に生まれた子供たちにも、クラブの存在意義を伝えていく。「いろんな人に支えられている。サッカー選手なんて世の中になくてもいいもの。だからこそプロはそういう意識を持たないといけない」と強い言葉で訴えた。
前日に来日した新加入FWマルキーニョスが別メニューながらも合流。チームは午前、午後の2部練習でみっちりと汗を流した。「地域のサポートを強く感じないといけない。グラウンドで恩返しするしかない」と安達監督。被災地が祈りに包まれた「1・17」、心を一つに神戸がJ1での戦いに挑む。