愛媛「10」番の原川がチームを変える
J2愛媛に楽しみな若手が新加入した。16年リオ五輪を目指すU‐21日本代表のMF原川力(20)だ。パスやドリブルの技術に優れ、1月のU‐22アジア選手権でゴールを決めるなど得点能力も十分。大きな期待を表すように背番号は「10」に決定。若き司令塔が、昨季17位のチームに変革を起こす。
柔らかなボールタッチとパスさばき。20歳の若さに似合わぬ冷静なプレーで、早くもチームの信頼を得た。移籍後の初実戦となった1日のFC大阪(関西リーグ所属)との練習試合。「10」を背負うMF原川が、その才能を存分に披露した。
「やりがいのあるチーム。10番をもらって責任を感じる。その責任に応える自信はあります」
京都からレンタル移籍。FC大阪戦では2シャドーの左、ボランチの2つのポジションを試された。石丸清隆監督は「ボールを失わない選手だということが分かった」と満足顔。4日にスタートした鹿児島キャンプで「どのポジションがいいか見極めたい」と話した。
U‐21日本代表でボランチを務め、1月のアジア選手権では初戦のイラン戦でゴールネットを揺らした。16年リオ五輪を目指す手倉森ジャパンの第1号弾だった。
良き“ライバル”の存在が刺激になっている。故郷の山口県で小学生時代、同じチームに所属したINAC神戸MF田中陽子だ。
今でも毎年正月は、一緒にフットサルを行うなど仲がいい。なでしこジャパンでもプレーする田中に対し「男女の差はあるけど向こうはA代表。早く追いつき、追い越したい」と原川は力を込めた。
愛媛は昨季17位。指揮官が掲げるパスサッカーはある程度浸透したが、得点力不足の課題が残った。京都では2年間で無得点だっただけに「愛媛で数字を残したい。2けたゴールを目指す」と闘志満々。若き司令塔がチーム飛躍の原動力となる。