広島“天国の母”に捧げる2年連続V3
「富士ゼロックス・スーパーカップ、広島2-0横浜M」(22日、国立)
昨季J1で2連覇を果たした広島が天皇杯覇者の横浜Mを2‐0で下し、2年連続3度目の優勝を決めた。広島は前半6分にMF野津田岳人(19)が先制ゴール。後半21分にはFW浅野拓磨(19)が追加点を挙げた。強化部スタッフの沢山文枝さん(享年62)が大会前に他界。19歳コンビが天国へ勝利のゴールを届けた。
笑顔の2人が、優勝カップを掲げた。見ていますか沢山さん‐。19歳コンビが、2年連続優勝の立役者だ。
野津田が先制点をゲットした。前半6分。石原が右サイドから中央にクロス。ファーサイドに流れた球を押し込んだ。「天皇杯(決勝戦0‐2)は2人で出て(途中出場)何もできず悔しい思いをした。2人で点をとれて良かった」と、満足そうに振り返る。
後半21分は途中出場した浅野。右サイドの野津田からのスルーパス。中央で元日本代表・中沢を一瞬で振り切り、右足で蹴り込んだ。プロ初ゴール。「野津田が点を取った。負けられなかった」と、はにかんだ。
“サンフレの母”に捧げるゴールだ。2月中旬の宮崎合宿中、強化部スタッフの沢山さんが、くも膜下出血で他界した。寮生活を送る2人は、身の回りの世話もしてもらっていた。
「お母さん的存在。常に優しく接してくれた。天国に捧げられて良かった」と野津田。全選手が喪章をつけて臨んだ一戦。先制点後には全員で喪章を高々と掲げ、感謝の思いを表した。
横浜Mには12年以降5戦未勝利(4敗1分け)だったが、野津田と浅野が“6度目の正直”で呪縛を解き放った。リーグ3連覇を狙う今季。12月、今度は銀皿を掲げ優勝を報告する。