鳥栖・豊田Vヘッド ザックにアピール
「J1、浦和0-1鳥栖」(8日、埼玉)
鳥栖は敵地で浦和を1‐0で破り、開幕2連勝とした。日本代表のザッケローニ監督が視察する前で、日本代表FW豊田陽平(28)がシュート1本で決勝点を奪い、決定力をアピールした。浦和は6年ぶりのホーム開幕戦黒星。横浜Mも同FW斎藤学(23)のゴールで清水を1‐0で下し、連勝した。3連覇を狙う広島はDF塩谷司(25)の2試合連続ゴールで川崎に2‐1で競り勝った。
ゴール前に陣取った豊田に、左サイドを突破したDF安田から鋭いクロスが入った。「ここは負けちゃいけない」。185センチの体を生かし浦和・永田の頭一つ上で合わせた。シュートは日本代表GK西川を抜きゴールへ。左手を掲げ「鳥栖に豊田あり」をアピールした。
ザッケローニ監督が視察に訪れていた事実を知ったのは試合終了後。得点を取ることだけを考えて試合に臨んだ。「強さや高さで負けてはいけないと。それが今日、できて良かったです」。この日のシュートは1本だけで、一撃必殺の決定力を見せつけた。
柿谷(C大阪)の発熱を受け追加招集された5日のニュージーランド戦は、10分間の出場だった。星稜高の後輩・本田とのコンビは見せられたが、定位置奪取にはアピール不足だ。代表戦の話題には「難しい質問ですけど、出してもらったことに感謝したい」と言葉を選んで振り返った。
W杯ブラジル大会代表入りへ、競争は厳しい。ライバルの大迫(1860ミュンヘン)は今季5戦3得点と好調で、柿谷も代表での実績は豊田よりも上。今後は豊田ならではの長所を打ち出していく必要がある。
一つは決定力。もう一つは守備への貢献だ。先制点以降はシュート本数で3‐17と試合を支配されたが、前線の豊田は守備陣の負担を軽くするため、浦和の選手を追いかけ続けた。「攻守両面でアピールできる試合をしたい。(今後は)継続して得点を狙いたい」。開幕からの2戦連発は自身初。できる限りのアピールを鳥栖から続ける。