浦和“出直し星”差別問題で再結束!

 「J1、広島0‐2浦和」(15日、Eスタ)

 8日の鳥栖戦で一部サポーターが掲げた「JAPANESE ONLY」の横断幕が差別的だったとして世間を騒がせた浦和が、制裁処分決定後初の試合で広島を2‐0で破った。試合後、サポーターは11回「ウィー・アー・レッズ」と大合唱。無観客で行う23日の清水戦(埼玉)へ結束を確認した。C大阪は清水を4‐1で下し、連勝で今季ホーム初勝利を挙げ3位に浮上。1‐1の前半32分、DF山下達也(26)が決勝点となる今季初ゴールを頭で決めた。

 何度も何度も、左胸にある浦和のクラブエンブレムをたたいた。1‐0で迎えた後半ロスタイム、ダメ押し弾を決めたMF原口元気(23)は脇目もふらずにゴール裏スタンドに駆け寄った。「もう一回、一緒に戦っていこうと表現しようと思った」。今季エースナンバー「9」を引き継いだ若武者の心意気にサポーターは驚喜した。

 MF阿部からのパスに左サイドを抜け出し、中央に切れ込みながらシュートを狙う得意の形で決めた。開幕戦から2試合連続で決定機を得ながら無得点。自分を責める日々が続いたが、「ゴールで貢献できた」と笑顔。「ネガティブな要素を一気にポジティブに変えられると思った」と、重苦しい空気を破ることもできた。

 差別的な発言や横断幕問題については「僕も嫌な気分というか…。反省しないといけない」と、大きな問題ととらえている。チーム全体でも差別発言に反対するツイートをしたDF槙野を中心に「こんな時だから一つになろう」と確認した。ペトロビッチ監督も試合前に「試合で表現してこい」とゲキを飛ばして選手をまとめた。

 試合後のサポーターへのあいさつには、選手だけではなく、普段は参加しないチームスタッフも一緒に感謝の意を示した。この日は旗類や横断幕を使った応援が禁止されたが、原口は「(応援の質は)変わらない。十分、気持ちは伝わってきました」と言い切った。23日には清水との無観客試合が待つ。浦和の再出発の道のりは始まったばかりだ。

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