内田ぶっつけW杯も…腱も損傷していた
右太もも裏を痛めて戦線を離脱中のサッカー日本代表のDF内田篤人(25)=シャルケ=が15日、W杯ブラジル大会のメンバーが発表される5月上旬までの復帰見通しが立っていないことを明かした。2月9日のドイツ1部リーグ、ハノーバー戦で負傷した内田は、日本国内での検査やリハビリを終えて渡欧。負傷状態については、肉離れに加えて腱(けん)の損傷もあり「無理しどきかと思う」と苦しい胸の内を明かした。
ザックジャパンで不動の右サイドバックのW杯出場に黄信号がともった。クラブ合流のために成田空港に姿を現した内田は、復帰の見通しについて「結構、かかります。ケガした日に、時間かかるなと思った。膝が爆発したかと思ったんで」。気丈に振る舞う姿が痛々しかった。
負傷直後の2月14日に緊急帰国。国内での検査後、手術は回避したものの状態は芳しくない。リハビリは開始しているが、「とりあえず、普通に歩けるようになって走り始めたんですけど、自分の足じゃないみたい」と現状を説明した。
6月のW杯本大会を前に、まずは5月上旬に代表メンバー発表を控える。「メンバー発表までには間に合わせたいと思っていますが、そんなにそこで無理して、もう1回やったら意味はない」。帰国中にはザッケローニ監督ら代表スタッフとも会談。「しっかり治して、と言われた」と慎重に治療を進めていく方針だ。
だが、その胸中は複雑だ。「無理しちゃいけないのは分かっていますけど、(W杯は)サッカー人生の中で大事なポイント。治るか、治らないかは、足に聞かないとわからないですけど、無理しどきだと思う」。5日の国際親善試合ニュージーランド戦で、日本は右サイドを崩されて失点。内田不在の影響は決して小さくない。
リハビリ施設では、同じく負傷離脱中のMF長谷部や、他競技のアスリートとも交流。「話をしたり頑張っている姿に刺激をもらったし、僕も復帰した姿を見せたいと思った」。悲壮な覚悟を見せた内田の早期復帰を、誰もが願っている。