“八百長疑惑”でJ初警告…判定はシロ
Jリーグは18日、世界各地のインターネットで行われているサッカー賭博に絡み、J1の試合で異常とみられる賭け方が発見されたとして八百長を監視するシステムから初めて警告を受け、調査したと発表した。不正の疑いもあるとして選手ら関係者約50人を聞き取り調査した結果、八百長はなかったと結論づけた。
指摘があったのは、8日にエディオンスタジアム広島で行われた広島‐川崎。ハーフタイムと試合終了時の結果を予想する賭け方で、「小さな異常値が見られた」との報告があった。
川崎が1‐0で前半を終え、広島が逆転して2‐1となったが、ある賭け屋で想定の約10倍となる十数万円が結果通りの展開に賭けられたという。
通常ならば100ユーロ(約1万4千円)程度しかJリーグのカードには掛け金が集まらないところ、1000ユーロ(約14万円)集まったことが通報の原因となった。それぞれの掛け金は少額で、広島の森保監督と川崎の風間監督が広島時代に同僚だったことなどから憶測を呼んだ。
2011年から導入した八百長監視システムは、複数の賭け屋で各国サッカー不自然なオッズや賭け額の変動がないかを24時間365日チェックしている。最初の警告は10日。17日には市場のうわさが巻き起こしたもので「試合への不正な関与はなかった」との最終報告を受けた。
リーグは国際サッカー連盟(FIFA)などに経緯を報告し、要請があれば再調査する。20日には各クラブに経緯の報告と注意喚起をする。村井満チェアマンは「問題がなかったので開示しない判断もあったが、ことの重大性に鑑み、情報を共有して警鐘を鳴らした」と話した。