浦和の無観客戦は「放送禁止用語」警戒
一部サポーターによる差別的な横断幕掲出による制裁で、J1浦和が23日に埼玉スタジアムで清水との無観客試合を行う。関係各所がJリーグ初の事態へ準備を進める中、試合を生中継する放送局が放送禁止用語を警戒していることが22日、分かった。試合にエキサイトした両チーム関係者から「F」から始まる4文字の単語が発せられ、生中継に乗ってしまうことを懸念しているという。
無観客試合は、中継するテレビ局にも相応のリスクがあった。歓声も集音するため、従来の中継ではスタンドに向けられているマイクも、当日はピッチに向けられる。ボールを蹴る音、選手間の指示など普段は聞けない音がテレビで楽しめる半面、耳障りな言葉が入る危険性がある。
その最たる例がFワードとも呼ばれる4文字の単語。不満や怒りを示す言葉として、英語圏で使われるケースがあるが、放送禁止用語と見なされている。エキサイトした選手が思わず発した言葉が放送に乗ってしまわないかと、局内で懸念されているという。
担当者は「選手の皆さんは分かってくださっているようです」としているが、万が一の事態が起きても、生中継のため「ピー音」をかぶせることはできない。「そういう場合は後からコメントで処理することになるのでは」と、テロップか、アナウンサーによるおわびで対応することになるという。
浦和にとっては再出発を印象づける試金石となる試合だけに、視聴者に悪印象を与えるのは避けたいところ。もちろん、清水の選手に対してもいえることだが、世間の目だけでなく耳も傾けられていることに要注意だ。