“ダービー男”フォルラン本領発揮2発
「J1、C大阪2‐2G大阪」(12日、ヤンマー)
2年ぶりの大阪ダービーは、C大阪が後半17分にウルグアイ代表FWディエゴ・フォルラン(34)のFKでG大阪に追いつき、2‐2で引き分けた。フォルランは来日初の1試合2得点。C大阪は勝ち点11で8位に後退した。3連覇を狙う広島がFC東京を1‐0で下し、3連勝で同16として今季初の首位に立った。鹿島は新潟に1‐2で敗れ、同15で2位に後退。神戸は徳島に3‐0で大勝し、同14で3位を守った。
“ダービー男”を実証した。大阪ダービー初見参のフォルランが来日初の1試合2得点。「ダービーで数多くのゴールを決めてきた」という自らの言葉を、大一番で証明して見せた。
宿敵に逆転を許して1点を追う後半17分、ゴール正面からやや左約20メートルのFKだった。フォルランが右足を振り抜くと、ボールは7人の壁を越えてゴール右隅に吸い込まれた。主審の笛とほぼ同時に放たれたキック。意表を突かれた相手GKの東口は一歩も動けなかった。「狙い通り。GKがニアに寄りすぎていた」。背番号10の同点弾にサポーターの興奮は最高潮に達した。
前半21分にはFW柿谷、MF山口と流れるようなパス交換から、右足つま先で技ありの先制ゴールを決めた。フォルランによると、ダービーでの1試合2得点は、インテルナシオナル(ブラジル)に所属していた昨季にグレミオと対戦した“ポルトアレグレ・ダービー”以来だという。W杯でMVPと得点王に輝いた男が、いよいよ本領を発揮し始めた。
2年ぶりの大阪ダービーは熱狂に包まれた。試合前日の朝から並び始めたサポーターの行列は、開門前の当日午前10時半には約4700人に達し、大阪ダービー史上最多となる4万2723人が詰め掛けた。「美しい雰囲気だった」とフォルラン。試合は引き分けに終わり、サポーターに勝利を届けることはできなかった。試合後にはブーイングも浴びたが「チームとしての結果が出るように戦っていきたい」と前を向いた。