大久保が決めた!川崎5年ぶり16強
「アジアCL・1次リーグ、川崎3‐1蔚山」(22日、等々力)
最終戦を行い、H組の川崎は、体調不良を押して強行出場した元日本代表FW大久保嘉人(31)の決勝ゴールなどで蔚山(韓国)を3‐1で下した。4勝2敗の勝ち点12とし、ウェスタンシドニー(豪州)に続く同組2位となり、5年ぶりに16チームによる決勝トーナメントに進んだ。G組の横浜Mは広州恒大(中国)に1‐2と敗れ、2勝1分け3敗の勝ち点7でG組最下位となって敗退した。
エースの一撃が、アジアへの頂に挑戦するための切符となった。1‐0で迎えた前半34分。川崎のFW大久保が輝きを放った。MF森谷のパスで相手DFライン裏へと抜け出すと、冷静に右足でゴールへ流し込む。「いいパスが来たからトラップを大事にね。どの試合でも点を取れるのはうれしいね」。ブラジルW杯代表入りを狙う男が胸を張った。
前日の公式練習を体調不良で欠席。「(19日の)浦和戦の試合中から耳鳴りがし始めて、その後もせき、のど、鼻水がすごかった」。発熱こそなかったが、前日には風邪と診断された。関節の痛みも治まらなかったが「風邪は自己責任。明日からまた寝込めばいいから」と薬を服用して出場を直訴。「力が入らなかった。ふにゃふにゃしてたし、やばかった」というが、決勝点をぶち込んでみせた。
ACL16強入りの立役者はエースだけではない。MF中村憲は切れ味鋭いスルーパスで先制点をアシストし、蔚山戦でACLの日本人最多出場(38試合)となったDF中沢を中心とした守備陣も奮闘。後半9分にはDF田中が決定的なシュートをブロック。中2日の過酷な日程にも、高い集中力を保ち続けた。
「このサッカーをアジアに知らしめたいという思いがあるし、まだまだ伸びしろのあるチームだと思う」と中村憲。成長を続け、頂点を目指す。