イタリア留学糧にザック支える矢野通訳

 サッカーの日本代表アルベルト・ザッケローニ監督(61)の相棒、矢野大輔通訳(33)が14日、取材に応じた。日本代表メンバー発表会見の裏話などを聞いた。

 監督と通訳は一心同体で、視察にはほぼ必ず同行する。「平均して1日3、4時間は一緒です。一緒にお茶もします」。監督の就任直後は地下鉄に乗るのにも一緒についてまわったという。

 とっさの機転も求められる。実はW杯メンバー発表会見でザック監督は31歳の大久保の年齢を「33歳」と誤って紹介した。しかし、間違いに気付いた矢野通訳は「30歳を超えている」と訳し、監督に恥をかかせなかった。

 矢野通訳は中学3年時にサッカー留学でイタリアへ渡った。22歳の時に競技の道を断念。マネジメント会社に入り、06年にイタリア1部トリノに移籍したFW大黒将志(現J2京都)の通訳を務めた。その際の監督がザッケローニ氏で、これが出会いだった。

 選手経験があるため、戦術面での訳も的確だと監督、協会、選手の信頼は厚い。「サッカーをやめた時点でこういう日が来ると思わなかった。すごいことになってきたなと思う」。通訳にとってもW杯は夢舞台だ。

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