大久保W杯本番ぶっつけ1トップあるぞ
「国際親善試合、日本1‐0キプロス」(27日、埼玉)
サッカーのW杯ブラジル大会に臨む日本代表は、壮行試合でキプロス代表を相手に1‐0で勝利した。前半43分にDF内田篤人(26)=シャルケ=が6年ぶりとなる代表ゴールを奪った。2年3カ月ぶりの代表復帰となったFW大久保嘉人(31)=川崎=は後半13分から1トップでプレー。得点こそ生まれなかったが、本番での1トップ起用を存分にアピールした。MF本田圭佑(27)=ACミラン=はトップ下でフル出場したが、ミスが目立った。チームは29日に直前合宿地の米国に出発する。
自信は確信に変わった。「1トップに入ったのは(練習を通じても)初めてだったけど、すごく楽しかった。体は重かったですけどね。4年前とは違う。余裕があるから。やれるという自信は、もっと増えましたね」。32分間のプレーを振り返る大久保の充実した表情が、何よりも手応えを語っていた。
大歓声に迎えられ、12年2月のアイスランド戦以来となる代表戦のピッチに立った。「今まで通りのプレーをしてくれ」というザッケローニ監督の言葉とともに後半13分に投入されると、いきなり見せた。「(試合を見ていて)バイタルエリアが空いていたので、そこでまずシュートを打とうと思った」。相手DFのブロックでCKとなったが、強烈な右足ミドルを放った。
海外組を交えたザックジャパンでは初出場だが、十分にチームにフィットした。「(香川)真司には『自由に動け、俺がカバーするから』と話した」というように、周囲とは息の合った連係を披露。「ゴール前でワクワクさせるようなプレーを」という言葉通り、常に縦パスを要求し、前半は停滞気味だった攻撃を活性化させた。
豊富な経験から、優れた戦術眼を持つ大久保だが、陰の努力も重ねていた。代表復帰を確たる目標と定めた昨季からは、常に代表の試合をチェック。頭の中で、自らがプレーすることのシミュレーションを重ねてきた。
つかの間のオフを終えれば、直前合宿地の米国へ。「オフは家族と過ごすよ。今日は(無得点で)残念だったけど、本番では決めたい」。確信となった手応えを結実させ、日本に歓喜のゴールを届ける。