本田お疲れ?体重く見せ場も少なし…
「国際親善試合、日本1‐0キプロス」(27日、埼玉)
サッカーのW杯ブラジル大会に向けた壮行試合となる日本はキプロスに1‐0で競り勝ったものの、守備的な相手から1点しか奪えなかった。FW本田圭佑(27)=ACミラン、香川真司(25)=マンチェスター・ユナイテッド=らが先発。連係した攻めは少なかったが、前半43分にゴール前の混戦からDF内田篤人(26)=シャルケ=が押し込んだ。チームは29日に、直前合宿地の米国へ出発する。
ユニホーム交換をする仲間を尻目に、本田はゆっくりと日本ベンチへ歩を進めた。「苦労しているところだらけ」と振り返ったイタリアでの戦いをそのまま引きずったような、重苦しい90分だった。
フル出場で4本のシュートを放ったが無得点。前半35分に放った直接FKは、ゴールはるか上空へ外れた。後半33分に狙ったミドルも相手GKがセーブ。同36分には敵陣ハーフウェー付近から約30メートルをドリブル突破。これまでなら強引にでもシュートを狙う場面だったが、左サイドの大久保にパスする“らしくない”場面もあった。
イタリアでは定位置を確保できず、試合勘はいまひとつ。だが、ザッケローニ監督は絶大な信頼を寄せている。トップ下のポジションを「彼の家と呼んでいる」と表現し、「トップ下でより多くプレーしなければいけない」と、起用法を固定することを示唆した。
さらに、「今日のところは長い目で見ていかなければいけない。今日はゴールではない。今後のことを考えた」と明言。チームでの出場機会が限られていたことに配慮して90分間起用したことも明かし、W杯本番へ慎重に照準を合わせた。
今季最終戦後、イタリアでの4か月半をザック監督に説明するかと問われた本田も「必要はないのでは。たぶん調べていると思う」と答えており、信頼している様子だった。
この日の取材エリアでは「アメリカで」とだけ言い残した本田。アメリカで復活、がなければ、ザックジャパンの屋台骨が大きく揺らぐ。