本田2発でも“こんなもんじゃない”
「強化試合、日本4-3ザンビア」(6日、タンパ)
サッカーW杯ブラジル大会に臨む日本代表は6日(日本時間7日)、フロリダ州タンパでザンビア代表とW杯前最後となる親善試合を行い、4‐3で競り勝った。FW本田圭佑(27)=ACミラン=は前半40分と後半30分に2得点を挙げたものの、ゴール以外はパスミスやボールを失うことが多く、反省を口にした。日本は7日にブラジル入りする。
得点がほしくてしょうがなかった。前半40分、直前のプレーで香川のクロスがペナルティーエリア内の相手選手の手に当たりPKを得ると、本田はペナルティースポットにボールを置いて仁王立ち。俺が蹴る、と強く自己主張をしながらゴール右下に流し込んだ。
2‐2で迎えた後半30分には、右サイドを攻め上がったDF森重のパスに反応し、スライディングで押し込んだ。代表での得点は昨年11月19日のベルギー戦以来、2得点はハットトリックを達成した12年6月8日のヨルダン戦以来。本来なら手放しで喜べるはずだ。
しかし、試合後の本田の言葉は厳しかった。「今日もきつかったし、(後半に)体が軽くなったように見えたのは相手の落ち具合も関係していると思う」。事実、前半はパスミスを連発し、相手選手にボールを奪われることも多かった。後半5分に右からのパスをダイレクトで前に出したが、受け手の大久保がオフサイド。攻撃陣での連係も未成熟だ。
プレーを不安視する声には「求めていることが高いと思う。そういう人には大会が終わって感謝したい」。返す刀で「これでよし、としている人には本田圭佑はこれ以上、もっといいパフォーマンス出せるということを見せたい」と続けた。まだ本調子でないことへの自覚の表れだ。
2得点でエースは目覚めるのか。本田は「そういう流れにちょっとずつ傾いたかなという感じなんで、それは多分…。いい方向に本番でいけるんじゃないかなと思う」と、前向きにとらえようとしている。
取材エリアでは「1問だけ」と足を止めてから、7分間も取材に応じた。笑顔を見せる場面もあった。気持ちは楽になった。完全復活へ、本田圭佑はまだこんなもんじゃない。