本田フォア・ザ・チーム!4年前と別人

 「ブラジルW杯」(12日開幕)

 サッカー日本代表FW本田圭佑(28)=ACミラン=が11日(日本時間12日)、共同取材で目前に迫ったコートジボワールとのW杯初戦(14日)について胸の内を語った。決勝点を決め「(俺は)持ってる」と豪語した4年前の南ア大会の初戦、カメルーン戦とは対照的に、「ほかの選手も点が取れる」と、ワンマンチームでないことを強調。卓球大会を主催するなど、フォア・ザ・チームの姿勢を前面に押し出した。

 ほかの選手より約20分遅く取材エリアに姿を見せた。居残り練習の内容を問われた本田は「いろいろすることあるでしょ。FKもそうですし、コンディション的なものもあります」。さらりと答えた顔には穏やかな笑みが浮かんでいた。

 コートジボワール戦がある14日は誕生日の翌日にあたる。4年前の南ア大会も同じ14日にカメルーンとの初戦があり、決勝点を奪った。直後のインタビューで口にした「持ってる」は流行語にもなった。当時の岡田監督に「点を取ってこい」と1トップとして送り出され、ゴールに強い執着を持っていた。大会直前にはMF中村俊にFKを「ここは俺」と直訴したこともあった。

 今回は香川が加わり、岡崎も欧州で好調。柿谷、大迫ら下の世代も入った。「役割と立場が明らかに違う中で、(チームの)スタイルが違うので完全に比較はできませんが、自分自身、今大会に臨むにあたって明らかに違う心境で本大会に臨んでいるのは確かですね」と語った。

 自分が得点を取る以外、活路がなかった4年前とは明らかに状況は違う。得点を「狙いにいく」とはしながらも、「今のチームは自分だけではなく他の選手も点を取れる力がある」と仲間を立てた。3月のニュージーランド戦から繰り返す組織重視の姿勢を、W杯直前に鮮明に打ち出した。

 報道陣に対しても異例のお願いをした。「持ちつ持たれつ」と理解を示した上で、「今からたたくとしても大会終わってからにしてほしいなと思う。大会中はメディアとしてではなく日本人として日本代表を応援してほしいし、日本人として我々の一員だという気持ちで戦ってほしい」と続けた。飢えたオオカミのような本田はそこにはいなかった。

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