スアレス圧倒的2発!イングランド粉砕
「ブラジルW杯・D組、ウルグアイ2-1イングランド」(19日、サンパウロ)
D組のウルグアイは5月に左膝を手術したルイス・スアレス(27)=リバプール=の2得点でイングランドを2‐1で破り初勝利を挙げた。イングランドは2連敗で1次リーグ突破が厳しくなった。日本が最終戦で戦うC組のコロンビアはコートジボワールを2‐1で下し、2連勝で1次リーグを突破。22歳のMFハメス・ロドリゲス(モナコ)が全得点に絡む活躍を見せた。コートジボワールは1勝1敗となった。
FWスアレスは別格だった。初戦で敗れて後がないウルグアイを救う2得点。絶対的エースは「この勝利を夢見ていた。最高の気分だ」と感極まった。
前半39分に頭で先制点を挙げると、同点とされた後半40分にはGKのパントキックをイングランドMFジェラードが頭でそらしたこぼれ球に鋭く反応して抜け出し、右足で豪快にネットを揺らした。
イングランドのホジソン監督が「2度しか与えなかった好機を両方とも決められた」と嘆くしかなかった圧倒的な決定力。サッカーの母国の誇りを打ち砕いたスアレスは、右手の3本指を立てて妻と2人の子供にゴールをささげた。
筋金入りの問題児だ。4強入りした前回大会では、準々決勝ガーナ戦の延長戦終了間際に相手シュートをハンドで阻止して退場になった。所属するリバプールでは人種差別発言で物議を醸し、昨年4月にはチェルシーDFイバノビッチの腕にかみつき10試合の出場停止処分を受けた。
今季もその影響で開幕5試合を欠場したが、残り33試合で31得点を量産して初の得点王に輝いた。左膝半月板を損傷し5月に手術を受けたが、復帰戦でもゴールへの嗅覚はさびついてはいなかった。
崖っぷちの一戦を制した初代優勝国が、歴代優勝国3カ国がそろう“死の組”で何とか生き残った。