香川外し…途中出場も見せ場一度だけ
「ブラジルW杯・C組、日本0‐0ギリシャ」(19日、ナタル)
その光景は、ある意味でザック体制の“終焉(しゅうえん)”を映していたのかもしれない。初戦で不調だった日本代表FW香川がベンチスタート。ザッケローニ監督就任後、負傷や明確な休養目的以外で、初めて先発から外れた。
悔しさをピッチにぶつける時間は33分間だった。後半12分に、FW大迫に代わって出場。「0‐0だったので点を取るだけだった」と、気合を込めてピッチへ向かった。
23分、攻撃参加したDF内田にロングパスを送り、決定機の起点となったが、見せ場はこれだけ。細かなタッチと周囲との連係で相手を切り崩す香川にとって、腕の見せどころだったが、時間も足りず、本来の輝きからはほど遠かった。
前回南アフリカ大会後、最初の親善試合となった10年9月のパラグアイ戦。ザッケローニ監督の就任前だったが、ブラジル大会への第一歩となる新生代表の初ゴールを決めた。同年10月のザックジャパンの立ち上げ時から定位置を確保し、11年1月のアジア杯からは背番号10をつけた。チームの中核としての自負も強かっただけに、指揮官の「戦術的な選択」という理由での先発落ちは悔しすぎた。
「こんな結果は望んでいないが、これがW杯。次、勝ちたいのでまたやるだけ」。失意のまま、香川にとっての初めてのW杯が終わろうとしている。