Cロナ生き残った ラストプレーで同点
「ブラジルW杯、G組、米国2-2ポルトガル」(22日、マナウス)
G組ではポルトガルが試合終了直前にFWクリスティアノ・ロナウド(29)=レアル・マドリード=のクロスをFWバレラ(29)=ポルト=が決めて同点に追い付き、1次リーグ突破へ望みをつないだ。H組のベルギーはFWオリジ(19)=リール=の得点でロシアを下し、前回出場した2002年大会以来の決勝トーナメント進出を決めた。アルジェリアは韓国を振り切り、32年ぶりの白星を挙げた。
C・ロナウドのW杯は終わらない。1‐2とリードされたまま、5分間のロスタイムも尽きようとしていた後半50分だった。右サイドから絶妙のクロスをFWバレラの頭に合わせ、奇跡の同点劇を演出した。
直後に試合が終了するまさにラストプレー。負ければ1次リーグ敗退が決まる瀬戸際で踏みとどまった。だが、C・ロナウドに笑顔はなく、値千金のゴールを挙げたバレラも「重要なのは勝つことだった」と厳しい表情で振り返った。
開始早々の5分、相手DFのクリアミスからFWナニが先制のネットを揺らす。W杯では先制すれば11戦全勝だったが、米国の勢いに押し込まれ一時は逆転を許した。
左膝にテーピングを巻き奮闘したC・ロナウドだったが、両チーム最多7本のシュートを放ちながら無得点。前線で孤立する場面も目立ち、FIFAバロンドールの輝きも終了間際の一瞬だった。
会場となったマナウスはアマゾン熱帯雨林地域の中心に位置する。試合時は気温30度、湿度66%。主審が試合中に給水を促すほど過酷なジャングルの死闘から、何とか勝ち点1を手にして生還した。
それでも状況は絶望的だ。決勝トーナメント進出にはガーナとの最終戦(26日)の勝利が最低条件。米国とドイツが引き分ければ望みは絶たれる。勝ち点で並んでも、ドイツと8、米国と5の得失点差が開いており、ドイツ戦の4失点が重くのし掛かっている。「数字上は厳しいが、サッカーでは何でも起こり得る」。可能性が残されている限り、C・ロナウドは諦めない。