【戸田和幸の目】一押しフランスに注目

 W杯ブラジル大会は日本時間29日午前1時から決勝トーナメントが始まる。日韓W杯日本代表MFで評論家の戸田和幸氏が、ノックダウン方式で世界の頂点を決める戦いを展望した。

  ◇   ◇

 決勝トーナメント表をみると、ブラジルのブロックは大変なことになった。チリ、コロンビア、ウルグアイを含め、日本時間29日朝までに南米2チームが消えてしまうのは、何とももったいない。逆に、アルゼンチンは願ってもないチャンスがきた。

 そんな組み合わせの妙の一方で、個人的にはフランスに注目する。攻撃はFWベンゼマを中心に球を速く動かし、縦にスピードがある。ベンゼマはレアル・マドリードではC・ロナウドにボールが集まるため思うようなプレーができないが、今大会はマークを外す動き出しの良さが目立ち、いい形で球を呼び込んでいる。

 このブロックは攻守の切り替えが速いドイツがいるが、CBに若干の不安を感じる。期待を裏切ることが多く今大会の前評判も高くなかったフランスだが、チームの一体感も非常に見え、私の中では一押しだ。

 屈指の好カードは、堅守速攻のオランダと球を散らして迎え撃つメキシコの一戦だ。メキシコはスーパースターはいないが、全員が献身的で1対1も粘り強く連動性もある。3バック中央のマルケスが中盤に攻め入るなど、攻撃に工夫もあり、オランダの連係を分断するだけの力がある。このブロックは今大会躍進のコスタリカもいるが、オランダとメキシコの勝者に一日の長があるだろう。

 アルゼンチンは決して盤石ではない。チーム力というよりメッシでサッカーをつくっている印象だ。初戦で当たるスイスはタイトに守備したところから縦の速さがあり、両サイドも運動量豊富。スイスが食ってしまう可能性もある。ベルギーもFWアザール中心に個の能力が高く、おもしろい。

 今大会を見て、あらためてサッカーは闘いだと感じる。4強はブラジル、フランス、メキシコ、アルゼンチンまたはスイスと予想するが、いずれにしろ頂点に立つのはハードワークしたチームだろう。(2002年W杯日本代表MF戸田和幸)

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