広島逆転負け…寿人喜べぬ最多得点
「ナビスコ杯・決勝、G大阪3-2広島」(8日、埼玉)
口を真一文字に結んだまま、広島のFW佐藤寿人(32)は優勝杯を掲げるガンバイレブンを見つめた。2ゴールを決め、単独トップに立つ大会通算28ゴール。大会史を塗り替えながらも敗戦に悔しさがこみ上げた。
「最多得点でも優勝していないので喜べない。自分が点を取らなくてもチームが勝った方がいい」
前半20分、PKを左足で決め先制点を奪った。通算26ゴールで並んでいた元日本代表中山らを抜き単独トップに躍り出た。ゴール後は人気アニメ「妖怪ウォッチ」のエンディングテーマ「ようかい体操第一」を披露。喜びを爆発させた。
同35分には、こぼれ球を左足で押し込み2点目を挙げた。エースとしてチームをけん引した。だが2-0から逆転負け。これで天皇杯とナビスコ杯は7度、決勝戦に進み、すべて準優勝に終わった。
リーグ戦でも3連覇を逃した。今季は無冠だ。「悔しいけど、これを成長の糧にしないといけない」。佐藤の言葉が、来季のタイトル奪還を目指すチームの思いだ。