本田 伊誌に独白『侍としての誇り』
イタリア紙ガゼッタ・デロ・スポルト関連の雑誌「スポーツ・ウィーク」(毎週土曜日発行)が、イタリア1部(セリエA)ACミランFW本田圭佑について特集を組んだ。本田は『サムライとしての誇り』と題されたロング・インタビューに応じた。日本人の美点を「忍耐」とし、ブロンド・ヘアーについては「日本の子供たちは気に入ってくれている」、また「イタリアでショッピングはしない。日本にスタイリストがいて自分に合った服を選んでくれるから」などと明かした。
子供のことについて「父からいつも、何かやるのならナンバーワンになれ、それがサッカーである必要はないと言われていた。そしてどうやったら一番になれるか考えていた」と話した。見つけた答えは「他との違いを出せるようにし、強い個性を作ること」だったという。自分自身に出した課題は、よりハードなトレーニングを積む、そして今ではミランの練習場に早く行くのが当たり前になったそうだ。
また「いじめ」についての質問では「いじめにあったことも何度かあった」と明かし「日本人はシャイでみんな同じでいることを好む傾向にある。でも私がピッチでチームメイトに厳しい言葉を投げたのは、納得できなかったからだ。イタリア人は違う。常に全てをさらけ出す」と違いを強調した。「我が子がいじめにあったらどうするか?」との問いには「3つの選択がある。何でもなかったことにする、話し合う、行動する、だ。状況によって対応を選ぶ」と慎重な父親の素顔も見せた。
イタリアについて「最も大きな問題?はマスコミのアグレッシブさ(笑)。レストランやショップで彼らはいつもそこにいる。私自身は別にいいんだけれど、家族を考えると不快だ。妻と息子はサッカー選手でも歌手でも有名人でもない。普通の日本人だから」と話し、過熱する報道陣に対する悩んでいる様子。
そして「ミラノでショッピングはしない。一度だけ(高級シューズ・皮専門店)トッズに行ったのは、ガリアーニCEОに連れて行かれたから。私には日本にスタイルストがいて、私のキャラクターに合った服を選んでくれるから」と、意外な事実もあった。ジャケット姿が多いことは「会う人へのリスペクト」とさらりと流した。
そしてイタリアと日本の比較に話題は移った。本田は「日本人は規律正しく統率がとれているが、大胆さに欠けている。イタリア人は忍耐不足だが、天才的で多くのものを創り上げた。パスタ、ピッツァ、フェラーリ、ドルチェ&ガッバーナ…。両方をミックスするのが理想的だろうね」と締めくくった。
一方、インテル・ミラノのDF長友佑都についても触れている。「日いづる国の活きのいい魚」というタイトルで、ロッカールームでふざけたり、ジョークを飛ばす明るく社交性に富んだキャラクターを紹介。前日本代表監督のザッケローニ氏が「彼は日本人?いや本物のナポリ人だ」と評したエピソード紹介した。そして長友自身の「日本に比べると、イタリアではサッカーがより“聖なるもの”として扱われている。毎日、試験を受けなければならない状態にさらされている」と、セリエAの厳しさを身を持って体験しているプロらしいコメントも掲載した。