長友「(本田の途中出場)最悪だな…」
「イタリア1部リーグ、ACミラン1-1インテル・ミラノ」(23日、ミラノ)
インテル・ミラノの日本代表DF長友祐都が右サイドバックで先発出場し、ACミランの日本代表FW本田圭佑も後半27分からプレーしたため、伝統の「ミラノダービー」で史上初の日本人対決が実現した。以下は長友の一問一答。
◇ ◇
-やっと日本人ダービーが実現した。本田に出てきてほしいと思っていたか。
「いやもう出てくるだろうなと思っていた。でも嫌な時間帯に、僕らも疲れている時間帯に入ってきたので、最悪だなと思いながら…(笑)。キープ力も高いし体も強いんで、改めて敵にして嫌な選手だなと思った」
-それよりもチームとして勝ちたかったのでは。
「もちろん勝ちたかった。ただ相手もチャンスがあったし、僕らにもあったんで。そこを決めきれなかった。まぁ監督が代わってなかなか、代表に行っている選手もいたし、調整時間がない中で最低限の試合はできたのではないか、と」
-自身のクロスもあった。今日のパフォーマンスはどうだったか。
「コンディション自体は上がってきているので、そこは自分自身も手ごたえをつかんでいる。まだまだ求められる役割、監督に求められることはある。これまですごい選手を率いてやってきた監督なので、このぐらいのプレーじゃもちろん満足はしてくれないだろうと。僕自身も満足していない」
-特にどういうところを言われるか。
「守備の一対一もそうだし、サイド攻撃、サイドバックに任せる部分があるので、守備も攻撃もかなり走らなきゃいけない。でも楽しく練習もできているし、今日の試合も楽しめたのでそれが一番だと思う」
監督に高い位置を取れと言われているのか。前半かなり高い位置だった。
「高い位置を取ってどんどん攻撃してほしいということは言われているし、ただエル・シャーラウィとかもいたんで、やっぱりカウンターがかなり気になっていた部分もあった。そこは気をつけないと。しっかり守備をして攻撃をする、という意識でやっていきたいと思う」
-失点の場面は。
「チームとして悪い取られ方をして、僕もクロスの対応で出なきゃいけないところだった。やっぱり相手の精度が高くてシュートも素晴らしかったので、しっかり修正したい」
体調はどうだったか。
「体調はどんどん上がっている。コンディションも。ケガもあってインフルエンザにもかかったんで、ちょっと体調が悪かったが、どんどん体調は上がっていっている」
このまま右サイドで起用されると仮定して。右はグアリンも前に行くことが多いが、後ろは気にならないか。
「後ろはもちろん気になるけど、監督もラインを高くして攻撃的な守備を僕らに要求しているので、そこの部分で高い位置をみんなで取っていい守備ができれば、もっといい攻撃もできるのではないかと思う」
得点につながったクロスの選択はどういうふうに考えたのか。
「監督からもそうだし、中にいるFWからも早めに上げてほしいということは言われていたんで、持ったら早めにクロスを上げる、相手は下がりながらのディフェンスになるんで、やっぱり対応が難しんでああいうクリアミスも起こるし、その前に一回クラウンダーで速いボールを上げた時に相手も対応を苦しんでいたんで、そこをやっぱり突いていきたいと思った」
-その意味で相手のクリアミスは狙い通りだったか。
「狙い通りというのではないが、ラッキーだった」
-ダービーには慣れたか。
「いい緊張感で、一番なのは今日自分が楽しめたんで、サッカーやっている以上楽しまなければいけない。ケガしてサッカーできない時期で学んだ部分もあった。今日はどうあれ楽しんでプレーしようと心がけていた。気持ちよかった」
-次は本田とマッチアップしたいという気持ちはあるか。
「どうですかね、まぁ圭佑とマッチアップというよりは試合に勝ちたいです(笑)、今日も勝ちたかった」
-その本田が"長友は危険な存在だ"と言っていた。
「お世辞言ってるだけだと思います(笑)。もっともっと怖い選手に僕自身もなりたい」。
-(ミランが負けたら本田に要求すると言っていた)紫の髪の毛については。
「ああ、チームのツイッターでやってましたけど」
-何で紫か。
「いや、ピンクか迷ったんですけど。ちょっとピンクはまずいかと紫にした。彼がするわけないですよね(笑)」
-試合後、本田とは話をしたか。
「ちょっと話はした。彼とは常に連絡を取り合ったり、ミラノで食事もしているので。そんなに多くは語らなくてもわかっているかな、と」
-前回、(故障で試合に出なかった)1カ月間にいろいろ考えていたと言っていたが、どんなことを考えて今回の試合に臨んだのか。
「すごい考えたことはいっぱいある。ここで語ると話が長くなってしまう。ただこの2、3カ月、W杯が終わって自分の中でちょっと夢や目標が見えなくなった時期があった。パフォーマンスが出せなかったのはその理由だというのは自分自身もわかっていたし、ただケガしてもちろん病気もあったり、時間の中で自分の心の整理ができたというか、ちょっとこれまでプロになって突っ走ってきすぎた、振り返らないで突っ走ってきすぎたなという自分がいて、すごい心の中で重い状態だった。いらない荷物だったり、いらない物がいっぱいあった。整理する時間ができたんで、改めてまた再スタート、いいスタートが切れるんじゃないかと思う」
-いい意味で吹っ切れた。
「かなりもう吹っ切れた。サッカー楽しめているし、一時期はサッカーが楽しくなかったんで。正直このままサッカーをやっていていいのかと考えた時期もあった。いろいろ自分の中で考えた部分もあり、吹っ切れた部分もあった。今サッカー楽しいですし、もっとこれから新しい長友祐都っていうのを見せていきたいと思う」
-どういう時に楽しいと感じるか。
「今日の試合ずっと楽しかった。やっぱり僕も、もちろん“サッカー選手・長友祐都”ですけど、一人の“弱い人間の長友祐都”でもあるんで、大きな試合だったり日々の中で弱い部分は出てくる。それをこれまで抑え殺してきたのもあって、それは正直しんどいなと、自分を否定していることにもなる。そういう自分も受け入れないといけない、成長するためには」
-W杯がきっかけか。
「その後からですね。自分自身、何か今までの自分自身とは違うなと感じていたんで」
-監督の交代で心機一転となったか。
「ケガから復帰した時に心の精神面ではスッキリしていた。これからいいスタートが切れるなと感じていた。監督交代は関係ないかなと思っている」