遠藤、初MVP&歴代最多のベスト11
「Jリーグ・アウオーズ」(9日、横浜アリーナ)
Jリーグは9日、横浜アリーナで年間表彰式「Jリーグ・アウオーズ」を開き、最優秀選手賞にはG大阪のMF遠藤保仁(34)が初めて輝いた。J1全34試合に出場し、9年ぶりのリーグ優勝に大きく貢献した。ベストイレブンは、歴代最多を更新する11度目の選出となった遠藤のほか、2年連続でJ1得点王に輝いた川崎のFW大久保嘉人(32)、FC東京のFW武藤嘉紀(22)らが選ばれた。
名前を呼ばれても、表情一つ崩さず、壇上に上がった。遠藤が34歳にして、初めてのMVPを受賞した。「個人的には、ブラジル(W杯)で悔しい思いをして、さらなる成長をしたいと思った。チームとしても、個人としても、最高のパフォーマンスを見せられるように努力したい」と喜びをかみしめた。ベストイレブンは、自身の持つ最多記録を更新する11度目の受賞だ。
W杯ブラジル大会中断時、チームは首位と勝ち点14差の16位と低迷した。大逆転Vの中心にいたのが遠藤だ。シーズン前半はFWとして起点となり、後半は司令塔として躍動。リーグトップの14アシストを記録した。
11月にはアギーレ・ジャパンにも初招集された。「サッカーは年齢じゃないということを、これからも証明していきたい」。主将として背中で闘志を見せ続け、最後は高々とシャーレを掲げた。
「ここに全員で来られたことが一番うれしいこと。来シーズン、また来たいと思ったし、(13日の)天皇杯もいい雰囲気で臨める」。選手らは朝9時半から大阪府吹田市内で行った練習を終え、会場入り。式後は翌日の練習に備えてあわただしく帰阪と、最後の大一番へ備えは怠らない。
遠藤は昨季、J2のMVPを獲得した。J2降格が決まった一昨年は、チームへの残留宣言とともに「(J2で)優勝して、再来年には強いガンバを見せたい」と誓った。今回MVPも手にし、残るは山形と顔を合わせる13日の天皇杯決勝。ここを制すれば、00年の鹿島に続き史上2チーム目の3冠達成となる。
来季は、08年以来の制覇がかかるアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)も待っている。「全員の力を信じて、アジアでもチャンピオンを目指したい」。最強を証明するべく、遠藤の挑戦は続く。