アギーレ監督、アジア杯指揮も解任ある
日本サッカー協会の原博実専務理事(56)は18日、八百長に関与した疑いでスペイン検察当局から告発された日本代表のハビエル・アギーレ監督(56)について、今後の状況の進展次第で解任する可能性に言及した。都内で開いた理事会後に、「あらゆる状況に対応できるようにしている」と話した。一方で、2連覇がかかるアジア杯(来年1月、オーストラリア)に関して、現段階で同監督が指揮を執る方針を示した。
アギーレ監督の進退問題を避け続けてきた日本協会が、ようやく重い口を開いた。
原専務理事は、理事会後の会見で約50分に及ぶ質疑応答の最後に、「(状況変化を想定した議論は)当然している。あらゆる状況に対応できるようにしている」と発言。一連の疑惑が報じられて以降、初めて指揮官の解任の可能性について示唆した。
「告発=有罪」ではない。疑惑が浮上して以降、アギーレ監督の進退について、協会はかたくなに「告発や起訴された場合などに協会としてどうするのか、仮定の話はできない」との姿勢を貫いてきた。
もっとも、告発されたことで事態は進展。スペインの司法制度では、告発を裁判所が受理した後に本格的な捜査が始まる。手続きの進展によって出頭などで代表活動に支障が出る恐れもある。会見に同席した法務委員長の三好豊顧問弁護士は、「刻一刻と動く状況を踏まえて判断をしていくことになる」とした。事態の進展次第では、大会直前や期間中に解任を含めた重要な決断を迫られる可能性もある。
現状では八百長関与の証拠がない。告発を受け、日本協会は17日に監督への2度目の聞き取りを実施。監督は「八百長には一切関与していない」と、あらためて潔白を主張していることもあって、アジア杯は現体制で臨むこととした。
現段階ではアギーレ監督が指揮を執るアジア杯。アギーレ・ジャパンは、大きく揺らいだ状態で大会に挑むことになる。