星稜、交通事故の監督不在に燃えた
「全国高校サッカー選手権・2回戦、星稜0(5PK3)0鹿児島城西」(2日、NACK)
2回戦16試合が行われ、前回準優勝の星稜(石川)は、先月26日の交通事故で負傷した河崎護監督(55)が不在の中、鹿児島城西(鹿児島)と対戦。0-0からのPK戦を制して3回戦へ駒を進めた。
本田圭佑(ACミラン)を育てた“北陸の名将”を突然襲ったアクシデント。それでも星稜イレブンは動揺するどころか、逆に燃えていた。DF鈴木主将(3年)は「監督がいなくても、自分たちができることを示したい」と力強く語った。
0-0で迎えた後半6分、FW森山(3年)が2度目のイエローカードで退場し10人となった。しかし、守りに入るどころか積極的に攻勢を仕掛け、何度も相手ゴールを脅かした。「(退場した)森山のためにも、1人少なくても攻撃的にいった」と鈴木主将。PK戦となり、後攻の相手が4本目を外すと、MF平田(3年)が5本目をきっちりと決め、次戦に駒を進めた。
試合前、河崎監督からは「心配しなくていい」と一言だけメッセージがあったという。代行で指揮を執った木原ヘッドコーチは「監督が言い続けてきた通り、どんなときも一生懸命にやるだけ。選手は目の前の試合に集中していた」と試合を振り返った。FW森山は「監督が戻ってくるまで勝ち続けたい」と、頂点を見据えた。
名将不在の中でも、愛弟子たちがその教えをしっかり体現する。初優勝を目指す北陸の名門が、逆境を力に変えて初戦を突破した。