奥氏追悼試合…笑顔で送ったゴン劇場
「奥大介追悼試合、Jアミーゴス4-2横浜フレンズ」(18日、ヤマハ)
昨年10月17日に沖縄・宮古島で交通事故死したサッカー元日本代表MF奧大介氏(享年38)の追悼試合が18日、静岡県磐田市のヤマハスタジアムで行われた。奥氏がプレーしたチームで構成され、元日本代表と磐田による「Jアミーゴス」が、横浜Mと横浜FCで組んだ「横浜フレンズ」に4-2で逆転勝ち。磐田でともにプレーした「Jアミーゴス」のFW中山雅史氏(47)がオーバーヘッドシュートを放つなど1万902人の観衆を沸かせた。
湿っぽさは似合わない。中山氏がスタジアムを笑顔で包んだ。開始5分のPKはクロスバーを直撃。跳ね返りをMF中田氏がつなぐと、見事なオーバーヘッドで沸かせた。
時にはコミカルな動きで笑いを誘い、味方のパスに追い付けないと「中山走れ!!」コールを浴びた。前半24分に一度は退くも後半40分に再び登場。「大介のいないゲームは寂しいが、サッカーの楽しさを分かってもらえたら」とゴールを狙い続けた。
ともに磐田の黄金期を支えた。1998年に中山氏が4試合連続ハットトリックの世界記録を達成した札幌戦で、3得点目のラストパスを送ったのが奧氏だった。「“ドフリー”なのにパスをくれた仲間思いの男です」と、懐かしそうに振り返った。
アジア杯で解説を務める合間を縫って奧氏のために駆け付けた。前日に帰国したばかりで、18日深夜に再びオーストラリアへ戻る。快晴の下、繰り広げられた“ゴン劇場”。あの人懐っこい笑顔で、奧氏もきっと笑っているはずだ。