日本サッカーの父、クラマー氏が死去
1960年代にサッカーの日本代表を指導し、「日本サッカーの父」と称されるドイツ人のデットマール・クラマー氏が17日、ドイツ南部の自宅で死去した。90歳。同国サッカー連盟が18日に発表した。死因は明らかにされていないが、日本の関係者によるとがんを患っていたという。
60年に来日、64年東京五輪に向けて強化を図った日本代表のコーチに就任し、情熱的に指導。五輪で8強入りを果たし、4年後のメキシコ五輪での銅メダル獲得の礎を築いた。
日本協会の川淵三郎最高顧問(78)は協会を通じて談話を発表した。「初めてお会いしてから55年。サッカーだけでなく、人生そのものを教えてくださった恩師」と振り返り、「息子さんを亡くされた時に『日本に僕たちクラマーさんの息子が大勢いるんだから、いつでも会いに来てください』と伝えました」と思い出を語った。
さらに「当時、日本はアジアの弱小国でしたが、選手を一人前の紳士として扱ってくれた数少ない指導者。すべてを懸けてサッカーと人生哲学を伝えようとした指導者を僕はクラマーさん以外に知りません」と感謝。「安らかにお眠りください」と冥福を祈った。