浦和またしてもG大阪にやられた
「Jリーグ・チャンピオンシップ・準決勝、浦和1-3G大阪」(28日、埼玉スタジアム2002)
年間3位のG大阪が、浦和(同2位、第1ステージ優勝)を延長の末に3-1で破り、広島(同1位、第2ステージ優勝)との決勝に進出した。1-1の延長後半13分に、この日誕生日のDF藤春広輝(27)がゴールを決めた。
栄冠までの登頂ルートは、またしても宿敵に阻まれた。夕暮れの埼スタに響く、無情なタイムアップの笛。120分間の激闘を終えると、もう立っている力すら残っていなかった。「一発勝負は結果がすべて。次のステージに行けなくて悔しいし、本当に申し訳ない」。浦和の主将MF阿部は声を絞り出した。
持ち味である細かなパスワークを軸に、前半からチャンスは何度もつくった。後半2分に先制されたが、そこから一気に崩れることはなく、我慢強さも見せた。勝てば優勝が決まる昨年11月の直接対決で完敗した姿とは異なり、敗戦からの上積みは確かにあった。
だが、この日もあと一歩届かない。「結果を受け入れないといけない。『良いサッカーをしていた』では前に進まない」とはDF槙野。延長後半、ラッキーな形で決勝点がちらついたが、そのおよそ15秒後、決勝点をたたき込まれ、散った。
チームのスタイルは構築され、近年は何度もタイトル争いに顔を出してきた。ペトロビッチ監督は「これほど運が味方しないとは」と語るが、勝ち切れない要因は運だけではない。事実、阿部は「まだまだ足りないものがある」と言う。ここまでは来た。だが紙一重の勝負どころを突き破る“何らかの変化”がなければ、歴史はまた繰り返すことになる。