前橋育英がロスタイム劇勝「胃が痛い」
「全国高校サッカー・2回戦、前橋育英3-2大津」(2日、フクダ電子アリーナ)
2度先行しながら追いつかれる。決勝点はPK戦突入をにらんでGKを専用の“職人”に代えた直後の後半ロスタイム-。そんな辛勝に、百戦錬磨で知られる前橋育英(群馬)の山田監督も「胃が痛いです」と漏らした。
相手の大津(熊本)はU-18代表でG大阪入りが決まっているFW一美らを擁する強豪。「勝てるとしたらPK戦と思っていた」(山田監督)と言うが、本音ではない。「両サイド(の守備)が甘い。点は取られるけれど、こっちも取れる」。大津が低調だったときの映像集を毎晩のように選手に見せて、「ほら、大したことないだろ、下手くそだろ」と“洗脳”した成果もあり、内容ではスコア以上に圧倒してみせた。
「1つ勝っただけ。課題も多い。明日に向けて切り替える」と主将のMF尾ノ上。準優勝した前回大会時のようなタレントは不在で自然と控えめになるが、小粒は小粒でも粒ぞろい。全国総体出場を逃すなど敗戦から多くを学び、勝負強さでは例年以上かもしれない。
「今までの積み重ねはしっかり出せている」と同監督。悲願の選手権初制覇に向け、手応えもあった初戦だった。