終了間際同点…青森山田奇跡のPK劇勝
「全国高校サッカー選手権・3回戦、青森山田2(PK5-4)2桐光学園」(3日、ニッパツ三ツ沢球技場)
まるで劇画のシナリオのようだった。0-2のまま突入した後半ロスタイム。右CKを得ると、青森山田(青森)のGK広末はベンチに向かって叫んだ。「(相手ゴール前に)行きます!」。黒田監督も即座に「行け!」とGOサイン。11人の総攻撃が奇跡につながった。
まずはCKから、途中出場のFW成田が反撃のゴール。そして、その2分後だ。左サイドからDF原山がこん身のロングスローを放り込む。“みちのくの人間発射台”から飛び出したボールに、MF吉田がまさにドンピシャ、頭で合わせて同点とした。「最後の最後まで諦めないのが今のチーム」と原山。後がない土俵際で、試合を振り出しに戻した。
PK戦でも勢いは続く。4-4で迎えた運命の5人目。相手のエースFW小川のシュートを、GK広末がビッグセーブ。崖っぷちから勝利をもぎ取った。
青森山田は、初戦の大社(島根)戦でも0-2からの逆転勝利を挙げている。「まあ、奇跡ですね」と黒田監督。ミラクル進撃でこのまま一気に頂点を目指す。