東福岡GK脇野が好守また市船PK撃破
「全国高校サッカー選手権・3回戦、東福岡0(PK4-3)0市船橋」(3日、フクダ電子アリーナ)
全国高校総体優勝の東福岡や前回覇者の星稜(石川)のほか青森山田、富山第一、前橋育英(群馬)、国学院久我山(東京A)、駒大高(東京B)、明徳義塾(高知)が8強入りした。東福岡は総体決勝で破った市船橋(千葉)を0-0からのPK戦の末に下した。準々決勝は5日に実施される。
東福岡の絶対守護神が大一番で輝いた。0-0のまま突入したPK戦。GK脇野敦至(3年)が2本を止め、4-3で制した。「ここで結果を出さないといけないと思った」
頂点に立った昨夏の全国総体決勝と同じカード。しかも再びPK戦での決着。千葉の会場で、観客の大半が市船橋を応援する“完全アウェー”での白星に「止めたらシーンとなってうれしかった」と目尻を下げた。
2人目、相手のプレースキッカーだったFW工藤のシュートを右に飛んでキャッチ。「FK、CKの時から蹴り方が分かっていた」と読み切っていた。味方があと1人決めれば勝利の場面で5人目のMF三宅が外すと、すぐに三宅のもとに駆け寄った。「まだ終わっていない。俺に任せろ」と宣言。有言実行で5人目を止めた。
小学5年生からGK一筋。両親は福岡県福津市で農業を営む。父の和浩さんは毎年、稲刈りを終えた後の田に手作りのゴールを設置してくれた。脇野はそのゴールで兄の晃治さんと練習を繰り返し、技術と反応を磨いた。東福岡では2年生から正GKとなり、U-18日本代表候補に名を連ねるまで成長した。
07年度以来、8大会ぶりの8強入り。森重監督は「次に勝ち上がれてほっとしている」と、うなずく。最大の難関を突破。98年度以来、17大会ぶりのVへあと3勝だ。