星稜“総合力”で4大会連続の4強

 「全国高校サッカー選手権・準々決勝、星稜3-0明徳義塾」(5日、駒沢陸上競技場)

 準々決勝が行われ、2連覇に挑む星稜(石川)は明徳義塾(高知)に3-0で完勝し、4大会連続で4強入りした。青森山田(青森)は後半31分に2年生のMF高橋壱晟(いっせい)が今大会4得点目を決め、前々回覇者の富山第一(富山)を1-0で破って6大会ぶりのベスト4。国学院久我山(東京A)は前回準優勝の前橋育英(群馬)に1-0で競り勝ち、初めて準決勝に進出した。東福岡(福岡)は駒大高(東京B)を1-0で下し、17大会ぶりの4強。準決勝(9日、埼玉)は、星稜-東福岡、青森山田-国学院久我山の対戦となった。

 圧巻だった。前半26分、明徳義塾のDF浜口が退場すると、星稜の盤石ぶりが際だった。PKで先制すると、その後は主導権を握らせなかった。「選手がよく頑張ってくれた。3-0は出来過ぎかもしれない」。前回大会の直前に交通事故に遭い、昨年9月に復帰した河崎監督は選手たちをたたえた。

 4大会連続のベスト4は第79~83回大会の国見(長崎)以来の快挙。絶対的な選手こそいないが、2点を奪った主将のMF阿部が「今年のチームは全員が走るし、ベンチ外の選手もチームのために働いてくれて、本当に支えになっている」と語るように、総合力が何よりの武器だ。

 OBの元日本代表FW豊田陽平(鳥栖)も後押しした。大会前に佐賀牛を差し入れた。選手たちの体を気遣い、脂肪分の少ないヒレを贈ったという。「ステーキで食べたけど、めっちゃうまかった」と阿部。観戦した豊田は「母校に何らかの形で協力したかった。試合を見ていて星稜らしさを感じた」と語った。

 星稜-明徳義塾と言えば、競技は違えど92年夏の全国高校野球選手権大会で、星稜の4番・松井秀喜の5打席連続敬遠が語り草となっている。選手たちは当時、生まれていないものの、星稜が“因縁の対決”を制し、2連覇にまた一歩近づいた。

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