久我山DF戸田ロスタイム劇弾
「全国高校サッカー選手権・準決勝、国学院久我山2-1青森山田」(9日、埼玉スタジアム2002)
準決勝2試合が行われ、国学院久我山(東京A)は2-1で青森山田を破り、7度目の出場で初の決勝進出を決めた。1-1の終了間際にDF戸田佳佑(2年)が決勝点を挙げた。決勝は11日に埼玉スタジアムで実施される。
劇的なゴールは、周到な準備が生んだ必然だ。PK戦突入が濃厚となった、1-1の後半ロスタイム。チームが右CKを得ると、途中出場の戸田はしたたかに狙っていた。
そのまま流れたボールに、走り込んできたDF山本がミドルシュート。ここで瞬間的な分析が光った。「(山本)研(みがく)君が打って、枠を外れるのは申し訳ないけど分かっていた。前半も同じ場面があったので」。右足で絶妙に軌道を変えた戸田の一撃は、全て狙い通りだった。
しびれる場面での決勝点。スタンドから見守った母・聡子さん(47)によると、これまでは「大舞台で本来の力を発揮できないタイプ」だったという。精神面の向上を目指して飛び込んだ部活動の世界。「ここまで来たら絶対に優勝したい」。生き生きとそう話す表情が、成長ぶりを表していた。