メッシ5度目のバロンドール獲得
国際サッカー連盟(FIFA)は11日、スイスのチューリヒで年間表彰式を開いて2015年の各賞を発表し、男子の世界年間最優秀選手「FIFAバロンドール」にアルゼンチン代表FWメッシ(28)=バルセロナ=を選出した。3年ぶり5度目。
2014~15年シーズンはスペイン1部リーグで43得点し、欧州チャンピオンズリーグ(CL)でも10点を奪ってスペイン国王杯と合わせた3冠獲得に貢献。各代表チームの監督と主将、記者の投票(1位5点、2位3点、3位1点)で41・33%の支持を集めた。
文句なしの受賞だった。昨季バルセロナを主要3タイトル独占に導いたメッシが、2位となったライバルのロナウドに約14ポイントの差をつけて5度目の栄冠に輝いた。「また取れるなんて信じられない。子供の頃には夢にも思わなかったことだ」と喜びに浸った。
得意のドリブルと左足シュートの威力に全く陰りが見られない。欧州CLではロナウド、ネイマールと並ぶ10得点をたたき出して得点王となった。国内リーグでも抜群の得点力は相変わらず。「ほぼ全てのタイトルを取れた。チームが並外れていいから、自分もいいプレーができる」と仲間への感謝を忘れない。優れた連係で猛威を振るったネイマール、スアレスとの南米3トップの中心にいたのは間違いなく小柄な背番号10だった。
アルゼンチン代表では主将を務めるなど、精神的にも成長。「サッカーでも人生でもいろいろと学んできた。09年の初受賞の時より今の方が落ち着いて、ずっといい選手になっている」と胸を張る。
その姿は周囲も引きつける。バルセロナの同僚ネイマールは「毎日彼を見ているが、本当に大好き。彼の成功をなぞっていきたいほど憧れている」と賛辞を惜しまない。
04年にデビューして以降、長く世界最高峰の選手としての座を保ち続けているメッシが、まだ28歳。「毎年最善を尽くし、前の年を上回ろうと努力している」と貪欲さも失っていない。メッシの時代にまだまだ“終わり”は見えない。