【サッカー】“大物補強”岡山の本気度
J2岡山が13日に新体制発表会を行い、2016年シーズンに向けて始動した。昨年はDF岩政大樹(33)とMF加地亮(36)の2人の元日本代表選手を獲得して注目を集めたが、今年もG大阪からJ1通算68得点のFW赤嶺真吾(32)が期限付き移籍で新加入。悲願のJ1昇格に向け、2年連続の“大物補強”となった。
赤嶺といえば仙台時代の活躍が印象に強い。11年に14ゴールを挙げてチームの4位躍進に貢献。翌12年も14得点の大暴れで、2位に食い込んだチームをけん引した。
ただ、G大阪に完全移籍した昨季は不本意なシーズンだった。パトリック、宇佐美ら豪華攻撃陣に割って入れず、リーグ戦出場は13試合だけ。しかも自身6年ぶりの無得点でシーズンを終えた。
出場機会とゴールに飢えた点取り屋は今季、復活をかけて岡山の地を選んだ。新体制発表会では「初めてのJ2ですが、やりがいのあるチームだと感じたし、自分の成長につながると思った。目標はJ1昇格。ゴールを取れるだけ取って貢献したい」と力強く抱負を語った。
昨季の岡山は岩政と加地の加入もあって期待が高まったが、シーズン中盤に失速して12勝18分け12敗で11位。J1昇格プレーオフ進出(3~6位)には届かなかった。就任1年目の長沢徹監督(47)の下、守備意識を高めて総失点は「35」とリーグ3番目の好結果を残した一方、総得点は「40」止まり。14年の総得点が「52」だったことを思えば、物足りない数字だった。
目標のJ1昇格に向け、新体制発表会の冒頭で長沢監督が掲げた今季のキーワードが「プラス10」だ。指揮官は言う。
「6位以上を取りにいくことが目標。具体的には『プラス10』という数字です。これはプレーオフ制度が始まってから昨年までの、目標に達するための数字なんですが、勝ち点、得点、得失点でウチはちょうど『10』足りないんです」
昨季の岡山は勝ち点54、総得点40、得失点差5。この数字に「10」を上乗せすれば、過去の例から見てもJ1昇格プレーオフ進出圏の6位以内に届く。つまり「勝ち点64、総得点50、得失点差15」。長沢監督は、つかの間のオフを終えて集結した選手たちにこの目標を伝え、達成に向けて奮起を促した。
新加入の赤嶺にはもちろん、得点の「プラス10」へ大きな期待がかかる。DF岩政は「これまで何度も対戦して、手ごわい相手だった。期待しています」と赤嶺の加入を歓迎。MF加地も「キープ力があって周りを生かせる選手。攻撃のバリエーションが増えると思うし、間違いなくチームにプラスになる」と期待を寄せた。
赤嶺だけではなく、リオ五輪アジア最終予選を戦うU-23日本代表メンバーのFW豊川雄太(21)も鹿島から期限付きで加入するなど、攻撃陣に厚みが増した印象の岡山。夢のJ1昇格へ、本気度を感じさせる新シーズンの船出だった。(デイリースポーツ・浜村博文)