初優勝の守り神 なでしこ海堀が現役引退
サッカー女子日本代表「なでしこジャパン」の正GKとして活躍した海堀あゆみ(29)が15日、所属先のINAC神戸を通じ、昨季限りでの現役引退を発表した。昨年末の皇后杯決勝にも出場し、優勝に貢献したが、引退の理由には「パフォーマンスの低下」を挙げた。今後は未定。
日本代表GKとして通算53試合に出場した海堀が突然の現役引退を発表した。
所属クラブを通じて「身体のパフォーマンスが以前に比べて上がらなくなり、日々一番のライバルである自分自身に勝てなくなったから」と理由を説明。「常に最高のパフォーマンスを出す事を信条にトレーニングしてまいりましたが、納得のいく状態まで上げられなくなった以上、選手を続ける事は信条に反すると考え、決断に至った」としている。
クラブに引退を申し入れたのは昨年末の皇后杯終了後。クラブでは正GKとしてゴールを守り、代表でも15年W杯カナダ大会で主力としてピッチに立っていただけに、松田監督をはじめ、周囲は強く慰留した。しかし、本人の決意は固く、1月14日に発表された日本代表候補のメンバーにも当初は名前が入っていたが、辞退。クラブ関係者は「スッキリとした顔をしていた」という。
日本中を歓喜の渦に巻き込んだ“なでしこフィーバー”の立役者だった。2011年ドイツW杯決勝の米国戦。2-2で迎えたPK戦で海堀は勝負強さを発揮して2本をセーブ。3-1で日本を初優勝に導き、決勝戦のMVPにも選ばれた。
元日本代表、澤穂希さん(37)に続く、なでしこ主力選手の引退。1月30日のINAC神戸のファン感謝祭には出席予定で、そこがファンの前での最後のあいさつの場となる。今後は未定だが、「前を見て新しい自分にチャレンジしたい」とコメントした。