インテル長友 会見での一問一答
イタリア1部リーグ(セリエA)、インテル・ミラノと2019年6月末まで契約を更新した日本代表DF長友佑都が8日、ミラノ郊外の練習場で会見した。以下は会見での一問一答。
◇ ◇
(イタリア語で)
「まず最初にクラブに感謝していることを伝えたい。トヒル会長とマンチーニ監督、サネッティ氏にもお礼を言いたい。もちろん、チームメイト、サポーターにも。また特別に家族に感謝の言葉を送りたい。自分をよく支えてくれたから。ここに残れて、とても満足している。いつもこのチームで、このユニホームを着てプレーし続けたいと願っていた。誇りに思っています」
-インクランドから誘いがあったようだが、移籍を考えたことはあるか。
「全く考えたことはない。このチームでベストを尽くしたい。そして自分たちの目標に到達したい」
(会見の最初にマンチーニ監督が)
「ユウト、おめでとう。このチームに値する選手だ。我々にとっても最高のニュースだった。ユウトは自分のやるべきことをやつている」
-多くの選手がイングランドへの移籍を夢見る中、残ったのはなぜか。
「5年間ここにいて、みんなが僕によくしてくれた。常に。たくさんの選手がこの時期、イングランドに行きたいようだが、僕は違う。僕はここイタリアが大好きだし、ネッロアズッロ(インテルのチームカラー)の居心地がとってもいい。インテルは僕のチーム。だから、なんと言ったらいいか…。(チームに残れて)うれしいし満足している」
-チームメイトで誰と一番仲がいいか。以前のスナイデルのような。
「それに前はカッサーノ、サネッティ、マテラッツィがいた。もはや僕はナポリ人になったようなものだ(会場が爆笑)。全員とうまくいっている。全員だ。1人の名前を挙げられない」
(マンチーニ監督への質問)
-長友はシーズン序盤、ベンチ要員だった。今はほぼスタメン。何が変わったのか。
「我々には8人のディフェンスの選手がいた。他の選手たちを起用しシーズンを始めた。そしてユウトをプレーさせ出すと、いいプレーをした。右、左サイドのどちらもできる。それだけの価値があるプレーヤーだということだ」
(ここから日本語での質問)
-今の正直な気持ちを日本語にすると。
「とても素直にうれしいし本当に光栄に思います。インテルは僕の誇りであるから、このクラブに残れて。カンピオナート(シーズン)が始まった頃はそうとう厳しい状況でしたけど、本当にたくさんの支えがあり、チームメイトもそうだしスタッフもそうだし、もちろん家族もそうだし、たくさんの方々に支えられて、こういう契約延長という結果を得られたことで感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございます」
-セリエA以外の選択肢はなかったか。
「セリエAというかもう、インテル以外の選択肢が頭の中になかったんで。このチームが大好きだということと、チームメイトもそうだし、サポーターもそうだし、僕を愛してくれているというのはすごく感じるから、それで他のチームに行くという選択肢はありませんでした」
-今現在、サッカー人生の中でどのような地点にいると考えているか。富士山に例えると何合目とか。
「まぁ僕、まだ富士山に登ったことないので、ちょっと何合目かどうかということはわからないですけど、まだまだ低い位置でまだまだよくする部分はあるし課題もたくさんあるし、夢を叶えるためにはまだまだ遠いなと思います。だからインテルに残れて、またここでやる夢を叶えるために常に毎日、努力したいと思います」
-これまでの5年間を振り返って、また今後3年間についてどういう目標があるか。
「チームとしてはチャンピオンズリーグに出ること。僕の大きな夢は世界一なんで、やっぱり3年間のうちにチャンピオンズ・リーグ優勝したいし、セリエA優勝したいし、そのために努力したいと思います」
-3年契約はクラブ側からの提示だったのか。
「インテルの方からオファーをいただきました。僕も長い間インテルにいたいという気持ちがあったんで、すぐにオファーを受け入れました」
-今年30歳になるが、その年でインテルのような名門から3年契約更新というのはまれだ。インテルに対する責任感、気持ちは。
「5年間いてプラス3年間ということで、これ以上大きな評価はなかなかないと思う。感謝の気持ちでいっぱいです。また(現在の)インテルでも僕は一番インテルにいる期間が長いので、その責任感はあります。このチームをやっぱり強くしたいという気持ちも誰よりも強く持っていますし、そのために日々努力して貢献したい」
-守備の力がつき、ワンランクアップしたのではないか。この先3年間どういう課題があるか。
「まず自分のレベルが上がったとは思っていないし、欠点だらけでやることはいっぱいありますけど、ひとつ言うと本当に厳しい状況でした。始まった頃は特に。ただ自分ならレギュラーを取り返せるという自信は圧倒的にあって、それでインテルに残ろうという選択をしました。個人的には桜の木が好きで今、桜の時期ですけれど、桜の木はどんな状況でもどんな風が吹いても嵐が来ても常に耐えて、自分が輝く日を待っている…その気持ちが大切だと思っていて、僕もどんな時もこれを耐えられて輝く日々が来ると信じていました。ただまた3年間、壁も来るし苦しい時もあると思います。ただ自分の夢をかしっかりと持って、自分の夢を叶えるため日々努力することだけを考えてやっていきます」
-夢は。
「インテルで世界一になることです」
-契約更新まで時間がかかったが、その理由は。
「もう何カ月も前から何て言いますか…あの…ええっと…日本語が出てこなくて…eravamo d'accordo(イタリア語で合意に達していた)だから(イタリア語で)日本語を忘れてしまったよ!イタリア人か!(会場大爆笑で記者から「合意です」とのフォローが入る)合意です、合意!コッパ・イタリアとかカンピオナート(セリエA)とか、代表の方の試合もあったので、その後で契約を交わそうということでした。かなり前に決まっていました」
-大先輩のサネッティ氏から学んだことは。
「いっぱいあって、もちろんプレー面では常に背中で示し続けてくれた。メンタル的にも常にどんな状況でもポジティブに努力することが大事だと教えてくださったし。それに感謝してそのことを忘れず、その気持ちを持っているようにして練習したい」
-ファンがインテル優勝を待っている。契約更新したことでファンの要求も厳しくなると思うが。
「もちろん責任は重く、まずはチャンピオンズ・リーグ出場、あとはそこで世界一に早くなりたい。サネッテイの叶えた世界一を僕もやっぱり叶えられるよう頑張りたいと思います」
-クラブ在籍年数が一番長い。サネッティ氏のようにキャプテンになりたいという気持ちはないか。
「それはもう正直、誰がやってもいいかな、という…それだけ誰がやってもいいくらい素晴らしい選手(チームメイト)がいるということですね。ただやっぱりプレーで見せることがまず一番大事で、チームに貢献することが一番大事なので、もちろんキャプテンとして座れたら、もちろん本当に大きな自分の誇りにはなると思うが、そこに自分はこだわってはいない。ただチームで勝ちたいという気持ちだけが強いです」
(同席していたサネッティ氏に)
-長友選手がインテルのキャプテンにふさわしいと思うか。
「すでに何試合かでキャプテンを務めている。キャプテンは常にチームをひとつにまとめなければならない。彼の姿勢、態度はそれにふさわしい。今回の契約更新はクラブが長友を信用してるということだし、もちろん彼はキャプテンになれる資格はある」