浅野、悔しい不発「決めたかった」
「明治安田生命J1、広島3-0磐田」(2日、エディオンスタジアム広島)
第2ステージが開幕し、リオデジャネイロ五輪代表に選出された広島FW浅野拓磨(21)は磐田戦で積極的にゴールを狙ったが不発。リオ行きを自身のゴールで祝うことはできなかった。
1日に五輪代表入りが発表された浅野はシュート4本を放ちながらも無得点に終わった。後半20分に放ったシュートのこぼれ球をウタカが押し込み得点には絡んだが、「自分で仕留めたかった」と唇をかんだ。
イングランド・プレミアリーグの強豪アーセナル、ドイツ1部アウクスブルク、オーストリア1部ザルツブルクの3クラブから正式な獲得オファーが届いている。試合後は「現状に不満はないが、自分を高められる環境があるチームに魅力を感じる。どうなるか自分でも分からない」と話すにとどめた。
広島の足立強化部長は「本人が行きたいなら容認せざるを得ない」と移籍に理解を示した。3日に浅野と話し合い、意思確認を行う。広島幹部によると、アーセナルは広島が設定する移籍金を上回る条件を提示している。浅野が決断すればクラブ間合意に向け交渉は一気に進展し、早ければ週明けにもアーセナル移籍が発表される可能性も浮上した。
昨年8月の東アジア杯で国際Aマッチデビューを果たしたばかりの浅野は、英国でのプレーに必要な労働許可証取得基準である「過去2年間の国際Aマッチ出場75%」を満たしていない。ただ、12年に広島から当時イングランド2部のサウサンプトンに移籍したFW李(現浦和)が特例で認可された前例もある。アーセナルも特例措置を申請する見込みで、労働ビザの問題はクリアできそうだ。
「プロとして高みを目指す気持ちに変わりはない」と表情を引き締めた。その視線は、海の向こうへ向けられているようだった。