手倉森J、OA枠3人と初融合し戦術練習行う
リオデジャネイロ五輪に出場するサッカー男子日本代表は23日、ブラジル北東部アラカジュで直前合宿2日目の練習を行い、午前、午後の2部練習で汗を流した。午後練習では、FW興梠慎三(29)=浦和=ら24歳以上のオーバーエージ(OA)枠3人が合流してから初めてとなる戦術練習を実施した。チームは27日に地元クラブと練習試合、30日にブラジル代表と強化試合を行い、8月4日に1次リーグ初戦のナイジェリア戦を迎える。
OA枠との本格的な融合が始まった。午後練習の終盤。ピッチには4-4-2をベースに1トップ、1ボランチの変則的な布陣が描かれた。興梠が1トップ、藤春(G大阪)が左サイドバック、塩谷(広島)がセンターバック(CB)の右に入り、OA枠3人が合流して以来、初の戦術練習が行われた。
最終ラインから少ないタッチ数でパスをつなぎ、クロスからシュートを狙う手倉森ジャパンではおなじみの形。興梠が軽快にネットを揺らせば、塩谷は「先入観を持っていなかったので驚きはない。いろんな選手とのコミュニケーションを意識した」と振り返った。途中からCBの左に移り、岩波(神戸)、植田(鹿島)との連係も確認した。
左サイドから鋭いクロスを送った藤春は「テグさんのサッカーを初めて感じることができた。自分の持ち味を発揮できる」と手応えを得た。1月のアジア最終予選を全て見ていたと言い、自らのイメージと実際の動きを擦り合わせた。
受け入れるU-23世代の選手にも刺激を与えた。塩谷と定位置を争う岩波は「OAで来ている選手は即戦力。一番試合に出る可能性が高い。競争はあるが、しっかり準備したい」と気合をにじませた。OA枠に自身の戦術を刷り込み、手倉森監督が世代を超えた“化学反応”を導き出す。