J3、FC東京U23 石川直宏が418日ぶり復帰 「あきらめずに良かった」
「J3、FC東京U-23 1-0秋田」(19日、味の素スタジアム)
昨年8月に左膝前十字靱帯(じんたい)を断裂したFC東京のMF石川直宏(35)が後半21分から途中出場し、418日ぶりに公式戦復帰を果たした。
「この日を待ち望んで、日々積み重ねてきた」と話した石川は後半42分、左サイドで起点となり、最後はDF小山拓哉(19)が放ったシュートのこぼれ球をMF水沼宏太(26)が押し込み決勝点を決めた。石川は後半アディショナルタイムにゴール正面から強烈な右足シュートを放ったが惜しくもGKの正面を突き、復帰ゴールはお預けとなった。
昨年8月2日のフランクフルトとの親善試合で左膝前十字靱帯を断裂。最後の公式戦出場は同年7月29日のJ1仙台戦だった。今年7月にも左膝内側半月板を損傷するなど、幾度も負傷に泣かされた。気の遠くなるようなリハビリの日々。真摯(しんし)に取り組む姿はリオデジャネイロ五輪代表DF室屋成(22)にも大きな影響を与えた。
室屋はFC東京とプロ契約を結んだ矢先の今年2月に左足を骨折。石川とリハビリを共にし、「どうしてもやる気の出ない日もある中で、僕より長い期間リハビリをやっている(石川)ナオさんは毎日変わらない。一日一日無駄にしちゃいけないと思ったし、ナオさんのおかげで乗り越えられた」と話していた。この日、室屋は偉大な先輩の復帰戦をスタンドから見守った。
チームは5試合ぶりの勝利を飾った。試合終了の瞬間、雨粒を浴びながら石川は両腕を高々と天に突き上げた。「長く待ってくれた皆さんに恩返しの気持ちでピッチに立った。あきらめずやってきて良かった」と喜びを噛みしめた。次はJ1のピッチへ-。「ここがゴールではなくスタートライン。僕の意地、FC東京の意地とプライドを持って最後まで戦いたい」。石川が歩みを止めることはない。