試練のハリル 武藤 右膝負傷でイラク戦豪州戦ピンチ 横浜M斎藤チェックへ

 「欧州リーグ・1次L、カバラ2-3マインツ」(9月29日、バクー)

 第2戦が行われ、C組で日本代表FW武藤嘉紀(24)が所属するマインツ(ドイツ)は敵地でカバラ(アゼルバイジャン)に3-2で競り勝った。武藤は前半41分に欧州リーグ初ゴールとなる先制点を決めたが、後半39分に右膝を痛めて退いた。イラク、オーストラリアと戦う10月のW杯最終予選への影響が懸念されており、バヒド・ハリルホジッチ監督(64)にとっては、また頭の痛い問題が発生した。

 ハリルホジッチ監督がまたも試練に直面した。公式戦4試合ぶりに先発出場した武藤は0-0の前半41分、左足を振り抜き欧州リーグ初得点となる先制点を決めた。代表指揮官にとっても朗報となるはずだったが、試合終盤に予期せぬアクシデントが起こった。後半39分、右クロスに飛び込んだ武藤は相手と交錯し、右膝を痛めてピッチを退いた。

 武藤は2月のハノーバー戦で右膝外側側副靱帯(じんたい)を損傷。復帰を目指していた3月の練習中にも同じ箇所を再び負傷し、長期離脱を強いられていた。現状では日本協会にも詳しい状況は入っておらず、霜田技術委員も「何も話せません」としたが、負傷の度合い次第では来週から始まるW杯最終予選2連戦に向けた日本代表合宿への参加も危ぶまれる。

 “有事”に備えて代表チームも対応策を取る。手倉森コーチの1日の視察先を浦和-G大阪戦(埼玉)から甲府-横浜M戦(中銀ス)に急きょ変更。29日に発表された代表メンバーのバックアップメンバーとして名を連ねていたFW斎藤学(横浜M)の状態を最終チェックする。

 ハリルホジッチ監督は「(所属クラブで)出場機会を得なければ、代表には呼べない」という自身の哲学を曲げてでも欧州組にこだわった。代表に招集された欧州組15人の大半が先発の座を失っており、武藤も例外ではなかった。それでも公式戦3得点は今回発表されたメンバーの欧州組の中では最多で、離脱となれば大きな痛手となることは間違いない。9月の2連戦でもDF長友、槙野が負傷で不参加となっているハリルジャパン。6大会連続のW杯出場へイバラの道が続く。

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