興梠2発!J1史上12人目100ゴール!浦和次節ドロー以上でV
「J1、新潟1-2浦和」(22日、デンカビッグスワンスタジアム)
浦和の第2ステージ(S)優勝は次節以降に持ち越された。新潟を2-1で下し5連勝で勝ち点37としたが、川崎が勝利したため。FW興梠慎三(30)が2得点を挙げ、史上12人目のJ1通算100ゴールを達成。次節磐田戦(29日、エコパ)で勝つか引き分ければ優勝が決まり、年間勝ち点1位も守った。年間2位の川崎は後半39分に途中出場のMF森谷賢太郎(28)が先制点を挙げ、終了間際にMF中村憲剛(35)がダメ押し弾を決めて2-0で広島に勝利し、2位に浮上した。
節目のゴールは劇的な形で訪れた。ドロー決着が濃厚となった1-1の後半45分、興梠が左足で決勝点を挙げた。前半7分にも先制点を決めており、2得点で史上12人目のJ1通算100ゴールを達成。「有名な選手ばかりの中に自分の名前を刻めてうれしい」と素直な喜びを口にした。
プロ12年目。鹿島で49得点、浦和で51得点を積み上げ、大台に到達した。印象に残るゴールに「申し訳ないが」と前置きして、鹿島時代の09年最終節・浦和戦で決めた、リーグ優勝を決定づける一発を挙げた。今季14得点はシーズン自己最多を更新。三十路を迎えても進化の歩みを止めない点取り屋は「尊敬する柳沢さんを抜きたい」と、108得点を次なる狙いに定めた。
教え子の快挙を恩師も祝福した。宮崎・鵬翔高時代の監督、松崎博美氏は「本当に素晴らしいこと」と喜びに浸った。リオ五輪から帰国直後、宮崎を訪れた興梠と食事を共にした際には「一回り成長した気がした」と実感したという。地元では松崎氏が中心となり、宮崎県出身者として初めて五輪に出場した興梠の記念碑を製作する計画が進行中で、松崎氏は「100ゴールも記念にしなければいけないですね」と、うれしそうに笑った。
次節にも決定する第2S優勝は通過点でしかない。「年間1位こそが真の王者。タイトルではなくても、そこを目指してやっていきたい」と、年間勝ち点1位に強いこだわりを見せた。終盤に失速していた姿はもうない。鹿島で7冠を手にし、勝ち方を知る興梠は言った。「今年は優勝する気しかしない」。その表情は確信に満ちていた。