東京五輪世代 5大会ぶりU20W杯決めた!FW小川が2得点 8強の壁突破
「U19アジア選手権・準々決勝、日本4-0タジキスタン」 (24日、バーレーン・マナマ)
日本はタジキスタンを4-0で下し、来年5~6月に韓国で開催されるU-20W杯の出場権を獲得した。U-20W杯出場は5大会ぶり。27日の準決勝ではベトナムと対戦する。今大会の代表選手は20年東京五輪で中心となる世代。日本は前半にFW小川航基(19)=磐田=とMF堂安律(18)=G大阪=がゴールを決めて優位に試合を進め、後半にも小川と岩崎悠人(18)=京都橘高=の得点で突き放した。
夕刻でも気温30度を超えるバーレーンの地で、日本がしっかりと地力の差を見せつけた。5大会ぶりのU-20W杯切符獲得を告げる笛が鳴ると、歓喜の輪ができた。内山監督は「チャレンジャーとして歴史をつくろうと話していた。選手がよく頑張ってくれた」とたたえた。
東京五輪世代が、過去4大会で苦杯をなめてきた「8強の壁」を軽やかに越えた。U-20W杯も通過点で、既に4年後への競争が始まっているとの意識が強い。選手個々が貪欲に結果を求める姿勢が快勝につながった。象徴的なのは2得点したFW小川だ。「今までもこれからも、自分が中心となって得点を奪い続ける」との自覚で躍動した。
先制点は前半8分。右クロスを一番遠い側で待ち、頭で合わせた。ボールに気を取られてマークが甘くなる相手の弱点を踏まえ、得点の可能性が高い位置をとった。後半の追加点は直接FKから。「俺に蹴らせろ」と直訴し、見事に沈めた。
プロ入り直後で出場機会を失う選手が多い年代で、小川もその1人。内山監督はコーチだった前回大会を踏まえてこの状況を予測し、国内外での合宿を増やして補った。「前回は敗れたが、得たものもある。継続し、どうしたら乗り越えられるか取り組んだ」と言う。
MF久保建英(FC東京ユース)ら逸材がそろう16歳以下の代表の突き上げも相乗効果を生んでいる。大活躍の小川も、試合直後に「本当にほっとしている。2試合で点が取れなかったので、この試合で得点できたことは良かった」と安どの表情を見せ「得点を奪えなければ外される」と危機感を口にする。自国開催の夢舞台が刺激となり、育成年代が活気づいている。