広島DF千葉がJ初のドーピング疑惑 寝耳に水「摂取した覚え一切ない」
J1広島は27日、日本アンチ・ドーピング機構(JADA)が9月25日に実施したドーピング検査で、DF千葉和彦(31)の検体の一つから、興奮作用のある物質「メチルヘキサンアミン」が検出されたため、暫定的資格停止に関する通知を受けたと発表した。千葉は当面、あらゆる公式試合への出場、チーム練習、催事への参加が禁止される。
Jリーグの上部団体である日本サッカー協会が09年にJADAに加盟後、Jリーグの選手から禁止物質が検出されたのは初めて。
クラブによると、千葉は「摂取した覚えは一切なく、非常に驚いている」と意図的に当該物質を摂取したことを否定している。クラブは「今後の事実関係の解明に向けてJADAに全面的に協力する」とし、同時に採取されたもう一つの検体による再検査とともに聴聞会の開催を要請した。聴聞会は通知日(10月21日付)から原則14営業日をめどに開かれる。
Jリーグのドーピング検査は各試合の両チームから無作為に抽出された各2選手から尿を採取。これを二つの容器に分ける。千葉は浦和戦で採取された検体の一つが陽性反応を示した。
もう一方の検体に問題がなければ、暫定的資格停止は取り消され、問題があれば、法律家や医者などで構成される聴聞会が開かれる。選手が気付かずに禁止物質が含まれる薬やサプリメントを口にする事例はあり、意見陳述の権利が認められている。違反の事実が重いと認められれば、長期の資格停止などを科される可能性もある。
千葉は07年、使用には事前申請が必要なステロイド系物質を含む塗り薬を使ったことがある。その際は1試合自粛したが、ドーピング検査の結果は陰性で、その後は試合に出場した。