J最年少の久保はまだまだ?対戦した橋本「宇佐美とか家長がすごかった」

 「J3、FC東京U23 1-2長野」(5日、駒沢オリンピック公園総合運動場陸上競技場)

 FC東京U-23のFW久保建英(15)が後半開始から途中出場し、15歳5カ月1日でJリーグ最年少出場を果たした。シュート0本で得点はならなかったものの、パス・ドリブルで会場を盛り上げる場面もあった。対戦し、マッチアップする場面も多かった長野の元日本代表MF橋本英郎(37)に、久保の印象を聞いた。

 「勝てて良かったです」とまず笑顔を見せた橋本は、久保の印象を「まだ、体ができあがってない感じ。技術はすごい高いものがありますし、考えていることも2つ3つ先を考えながらプレーをしていた。なかなか、まわりとのコンビネーションだったり、久保くんのプレースタイルをチームメートも分かっていたのかな?と感じるところはありました」と良い点、悪い点を挙げ振り返った。

 後半開始から3トップの右で投入された久保は結果的にはシュート0本。ボールを足元で受けたい時にもらえなかったり、味方と距離が近くなりすぎてしまったりと、連携面で課題を残した。また、後半12分にあったような相手を背負ってボールキープをしようとしてつぶされてしまう“フィジカルの壁”を感じさせることもあった。この点は橋本も「「フィジカルで僕らが抑えにいった部分でつぶされていた部分はあった」と指摘した。

 ただ、後方からコントロールされていない速いボールが来た時に久保はぴたりとトラップ。こうした技術面は「見ている人も盛り上がった」と印象に残った様子だった。その中でもう一つ注目していたのが、二手、三手先を読んで久保がプレーしていたという点。久保がパスを受ける時に「直接その選手からもらおうとせず、次の選手に出してほしそうな声を出していた」と振り返り、「それは基本的に二つ先で久保くんがもらおうとして、次のプレーを考えて受けようとしていると思った」と感心していた。

 167センチ、60キロの久保はフィジカル面では成長途上。G大阪時代に、宇佐美貴史(現アウクスブルク)、家長昭博(現大宮)といったその年代の枠に収まらない有望株を見てきた橋本にとっては、「宇佐美とか家長が本当にすごかったので。彼らの方が体格の部分も多少ありましたし、キックの精度もすごかったので。今日の試合だけしか見ていないと分からなかった」と、まだまだ判断できない部分があるようだった。

 「こんだけ注目されているので、そのプレシャーの中でどれだけ自信を持ち続けて、過信にならないようにするか。回りの声でいい方向性をとっていけば良い状態になっていくと思います」と今後の久保の成長をサッカー人として期待した橋本。今日の試合そのものについては「(自分たちは)セットプレーでしか点を取れてないですけど、放送が流れた時に、長野が負けずに『ああ順当に勝ったな』と思ってもらえるのがすごく大事だったので」と勝利を喜んでいた。

 試合は長野が前半17分に松原がヘディングを決め先制。同32分には大島がロングスローを押し込んでリードを広げた。後半25分にFC東京U-23の林にヘッドを決められたが逃げ切った。

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