C大阪3季ぶりJ1に王手 柿谷先制弾!帰ってきた絶対エースが仕事

 「J1昇格プレーオフ・準決勝、C大阪1-1京都」(27日、キンチョウスタジアム)

 J2リーグ戦4位のC大阪はFW柿谷曜一朗(26)のゴールで先制したが、同5位の京都に終盤追いつかれ1-1で引き分けた。年間順位で上回るC大阪が規定により、2年連続のプレーオフ決勝に進出した。6位でプレーオフ初出場の岡山は、後半ロスタイムにFW赤嶺真吾(32)が決勝点を挙げ、3位松本を2-1で破った。14年以来の復帰を目指すC大阪と初昇格に挑む岡山が、12月4日の決勝で最後の1枠を争う。

 帰って来た絶対エースの一発で、C大阪が3季ぶりのJ1昇格に王手をかけた。前半13分、柿谷の本能が覚醒した。ソウザが遠めから強引なミドルを放つ。「雨なので打つのは分かっていた。こぼすところは常に狙っていた」。シュートと同時に動きだしていた背番号8は、京都GK菅野がはじいたボールに詰め、左足で浮かせて先制のネットを揺らした。高く跳び上がり突き上げた右拳に、あらん限りの思いを込めた。

 ようやくチームの力になれた。6月の長崎戦で右足首を負傷。再検査の結果、8月に手術に踏み切った。自身のツイッターには「こんな大事な時に本当に申し訳ない」と無念をつづった。11月の愛媛戦で実戦復帰を果たすまで約5カ月もチームを離れた。右足は完治に至っておらず、時折痛みに顔をゆがめながらも後半41分までピッチに立ち続けた。

 復帰4戦目で6月の讃岐戦以来となるゴール。「点を取ることが一番のディフェンスでもある」と、“攻撃は最大の防御”だと身をもって示した。大熊監督は「正直、持っているモノが違う。天性の明るさと人望があり、チームの空気も変わる。主将が戻ってきたことは大きい」と、その影響力を強調した。

 終了間際にパワープレーから失点を許し、引き分けに持ち込まれた。試合の締め方に課題を残し、柿谷も「しっかり守り切れないとこの先につながらない」と、試合後はチームメートに苦言を呈した。ただ、決勝もホームで戦えることは大きなアドバンテージとなる。柿谷は言う。「全員でJ1に戻りたい。ラスト1試合、足がもってくれるように調整したい」。最後に全てを懸ける覚悟だ。

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