U19抜てきの久保が東京五輪へ意欲「チャレンジしたい」
サッカーのU-19(19歳以下)日本代表は11月30日、優勝したU-19アジア選手権後初めて集合し、千葉県内で練習した。FW久保建英(15)=FC東京U-18=が中学生として初めてU-19日本代表に抜てきされたこともあり、年代別代表の合宿では異例となる約10倍の報道陣が集結。チームはこの日のうちに遠征先のアルゼンチンへと移動し、U-19同国代表と親善試合を2試合を戦う。
久保狂騒曲がとどまるところをしらない。J3で最年少デビューを飾った中学生が初参加したU-19日本代表の練習には、異例となるテレビ5局をはじめ報道陣44人が集結。施設関係者によると、「(年代別代表の練習で)こんなに多くの人が集まったことはない。いつもなら4、5人程度」というフィーバーぶりだ。
一挙手一投足に注目が集まったミニゲームでは「テレビで見たことがある」という年上の選手たちに混じっても、遜色ないプレーを披露した。だが、久保本人は周囲の喧騒(けんそう)をよそに謙虚な言葉を並べた。
「若いころから世界のトップで活躍する選手がたくさん出てきている。自分もしっかり努力して、どんどん上がるのが早ければ早いほどいいと思う。ただ実力がついていないのに上がっても空回りするだけ。地道にトレーニングしていきたい」
中学生では前例のないU-19日本代表入りにも浮足立つことなく「一歩ずつ」を強調する。
そして、この日、2020年東京五輪への思いを公の場で初めて口にした。
「自国開催は一生に一度あるかないかというもの。(東京五輪を)意識していないわけではないけど、今はまだ(周りと)同じレベルに立てていない。ここからさらに努力していきたい」
1997年生まれ以降で構成されるU-19日本代表は、東京五輪で主力となる世代。既にU-20ワールドカップ(W杯)韓国大会(来年5月)出場が決定している中、まずは韓国行きを懸けたサバイバルレースに挑む。「試合前から、やれるかやれないか、を話すのは難しい。やってみないと分からないが、チャレンジしたい」。東京五輪のエースへ。日本の至宝が、地球の真裏でその一歩を刻む。