鹿島がレアルと互角に戦えた理由、石井監督「体力的な部分では…」【一問一答要旨】
「クラブW杯・決勝、鹿島2-4レアル・マドリード」(18日、日産スタジアム)
欧州王者のレアル・マドリード(スペイン)に惜敗した鹿島の石井正忠監督が、敗因に自身の力不足を挙げ、選手をねぎらった。また、地方クラブとしてレアルと互角の戦いを演じられた要因についても語った。以下、試合後会見の一問一答要旨。
-延長で2点届かなかったが、その要因は。
「そこは私のスタメンや交代選手を入れることで変化を付けて追いつこうと思ったが、うまくいなかった。選手は120分間ファイトして、あのレアルに真っ向勝負してくれた。私の力不足かなと思う」
-日本サッカーにとってクラブW杯2位という意味は、どうとらえるか。
「まだまだ日本のサッカーは、プロができて25年ほど。他の出場クラブの国の歴史から言うとかなり浅い部類に入る。それがここまでこれたのは意味があること。急激に日本サッカーが世界に近づいていることが証明できたのではないか」
-人口6万人の都市のクラブである鹿島の戦いは世界に勇気を与えたと思うが、どう思うか。
「小さな町から生まれ、Jリーグ参入時、99.999999%無理だと言われて、0.00000001%に賭けて町がやった。それが成し遂げたことは世界に勇気を与えたと思う」
-ここまでできると予想はしていたのか。後半の最後は押し込んでいて、いつ点を取ってもおかしくなかったが、その時の心境は。
「体力的な部分ではある程度行けるのではないかと予想していた。選手個々の自己管理が良く、ホテルの生活態度、体調コントロールもしっかりしていたので期待はしていた。その中でも、個々のスピードであったり、決定的なチャンスを決めきること、それも体力が必要だと思うが、そこが不足していた。そこの差があったと思う」
-本当は、ものすごく悔しいのでは。
「悔しいです。ものすごく悔しいです。本当に、あの?この?レアルマドリードに対して、相手を苦しめることはできた。そこで、本当にちょっとしたポジショニングやプレーの判断ミスで失点した。悔しい思いでいっぱい。選手は立ち上がりから勇気を持って120分間戦ってくれた。プレーの中で、レフェリーが勇気を持てなかった場面があったと思うので、そこも残念です」
-レフェリーがラモスに警告ださなかったことはどう思うか。
「レフェリーが勇気を持てなかったのと、そこに対して気持ちを持って行かれないように、選手は最後まで戦ってくれたと思う」
-この悔しさを、天皇杯や来季に向け、選手がどういう反応をしてほしいか。
「この高いレベルの試合を日本のJリーグでやるべき。それは私たちだけではなく、Jリーグの発展につながる。今回、色んな経験をした。来年はACLで優勝してアジアの王者としてこの場にもう一度立ちたい。多分選手もそう思っているのではないかと感じている」
-選手の心理面のコントロールは。
「私からは意図して何か特別なことはやってはいません。選手がこの大会の中で、今まで経験できないような相手に対処をして学んで、それを今日もやってくれたと思う。選手全員がこの大会で成長したと思うし、私自身も勉強させてもらった」
-この奇跡は1年間続くか。アジアが勝つにはあと何年かかると思うか。
「こうしたテンションの大会は、続けないと成長しない。今回勝ったレアルには近づかない。こういう戦いを続けていって、アジアでもこうした厳しい戦いをしてアジアが成長していけば良いと思うし、こうした戦いを続けていきたい」