憲剛、史上最年長36歳でMVP 掃除のおばちゃんにも感謝、感謝の受賞
Jリーグは20日、横浜市内で年間表彰式「Jリーグ・アウオーズ」を開き、最優秀選手(MVP)に川崎のMF中村憲剛(36)が初めて輝いた。リーグ最多、年間68得点の攻撃陣をけん引したことが高く評価された。36歳での受賞は、2013年に35歳で受賞したMF中村俊輔(横浜M)を抜く最年長記録。6度目のベストイレブンにも選ばれた。ベストイレブンには、5度目の受賞となる浦和のGK西川周作(30)らも選出された。
いかにも中村らしかった。MVP発表の瞬間、驚きの表情を浮かべた。喜びのスピーチ。何よりも伝えたかったのは、感謝の気持ちだった。
「僕が受賞できたのも、今シーズン、プレーしやすいようにともに戦ってくれたチームメート、チームスタッフ、けがを一日でも早く治してくれようとしてくれたメディカルスタッフ。チーム強化部のみなさん。普段、僕らの洗濯物を洗ってくれているおばちゃん。(クラブハウスの)掃除をしてくれているおばちゃん。グラウンドを管理しているおじさんのみなさん。そして、川崎のすべてに関わってくださっている皆さんのおかげです」
選手と監督が投じた優秀選手の得票数は148と最多。誰もが認める実力派だが、日なたを歩き続けてきたわけではない。03年、中大からテスト生として参加していた川崎に加入した。
「自分と向き合い、コツコツとやれることを探して、自分のプレースタイルを身につけた」。A代表に初めて名を連ねたのは06年。10年にはW杯南アフリカ大会出場も、14年W杯ブラジル大会には落選した。王道を歩んできたわけではないからこそ、周囲への感謝を欠かさない。
壇上で歴代の受賞者を振り返り「(93年の年間表彰で三浦)カズさんがバルーンの中から、あの派手なスーツで登場したMVPに、自分がともに戦った選手・監督のみなさんに選ばれ、本当に光栄に思っています」。円熟味を増してきたボランチに、最高の栄誉が贈られた。