内田の決意「細く長くやるつもりはない」逆襲の17年へ
サッカーのドイツ1部・シャルケに所属するDF内田篤人(28)が年内の日程を終えて21日、成田空港着の航空機で帰国した。8日の欧州リーグ・ザルツブルク戦で、右膝のケガから約1年9カ月ぶりに復帰。充実感を語る一方で、17年に向けては「(選手として)細く長くやるつもりはない」と“逆襲の1年”にする決意をにじませた。
内田はもう、前しか向いていない。成田空港の到着ロビーに姿を現し、外に出ると「寒くないねー」と日本の空気を吸い込んだ。
表情は晴れやかだ。長年悩まされ続けていた右膝の負傷。昨夏に手術を決断し、そこから長い長いリハビリを経て、8日に行われた欧州リーグ・ザルツブルク戦で公式戦復帰。後半38分から途中出場し、プレー時間はわずかに10分程度だったが、充実度は大きい。回復状況が思うように進まない時には「手術を後悔した時もあった。キツい時期は、本当にイヤな人間だったと思うよ。他人のことを『なんだよ』って思ったりもした」という。それでも「3~4周、回って考えるとやっぱり自分のことなんで」と奮い立たせてきた。
念願のピッチに戻って来たからこそ、17年への決意は強い。「サッカー選手として一番脂が乗っている2年を捨てたので。いくら周囲(のスタッフ)がゆっくり、ゆっくりと言っても、トレーナーやドクターにとっての1週間、1カ月と、僕らにとってのその期間は、長さや重さが違う。生き急ぐわけではないけど、(選手として)細く長くやるつもりはない」と言い切った。
リーグの中断期を利用した、つかの間の帰国だが「1回、ここまで(状態を)上げているからね。膝回りとか、チームから渡されたメニューをこなす」と休むつもりはない。
もちろん日本代表についても、思いがないわけではない。ただ「僕の状況が良くても、監督に選んでもらえるかは別なんで」と、まずはシャルケでの定位置奪回を第一にとらえる。失った時間は帰ってこない。だからこそ、ここから力強い輝きを放つために、内田は前に進んでいく。